イチロー3
イチローに関するブログ、第三弾。
個人的に好きなのはもちろんですが、
それだけ結果を出している。
話題にもなる。
日本人をインスパイアしている。
そんな彼が、8月7日(日本時間8日)
ロッキーズ戦でメジャー史上30人目の
3000安打を達成した。
試合後には記者会見を行い、
穏やかな表情で偉業について振り返った。
その中での、本当にアキュムレーターらしい
魅力的なコメントを5つ、ここに紹介します。
――イチロー選手にとって3000本達成は
どういう意味を持つものなのか?
「これはみなさんもそうですけど、
これだけたくさんの経費を使っていただいて、
ここまで引っ張ってしまったわけですから、
本当に申し訳なく思っていますよ。
そりゃもうファンの方たちの中にも
たくさんいたでしょうし。
そのことから開放された思いの方が……
思いのほうがとは言わないですけど、
そのこともたいへん大きなことですね。
僕の中では。
普段そこにあった空気がなんとなく
乱れていたっていうのも感じていましたし、
明日から平穏な日々が戻ることを
望んでいます」
―― 一般の人間には達成感が
今後の目標に向けての邪魔になる。
3000本の達成感を
どうやって消化して
次の目標に進んでいくのか?
「え、達成感って感じてしまうと
前に進めないんですか。
そこが僕にはそもそも疑問ですけど、
達成感とか満足感っていうのは
僕は味わえば味わうほど前に進めると
思っているので、小さなことでも満足感、
満足することっていうのは
すごく大事なことだと思うんですよね。
だから、僕は今日のこの瞬間とても満足ですし、
それは味わうとまた次へのやる気、
モチベーションが生まれてくると
僕はこれまでの経験上信じているので、
これからもそうでありたいと思っています」
――イチローさんほど野球を好きな選手は
いないんじゃないかと感じる。
どうしてそんなに野球を好きでいられるのか。
「そんなこと僕に聞かれても困りますけどねぇ。
どうでしょう……うまくいかないことが
多いからじゃないですか。
これはもし成功率が7割を超えなくてはいけない
競技であったら、辛いと思いますね。
3割で良しとされる技術なんで、
まぁ打つことに関しては。
これはもういくらでも自分の『志』と言ったら
ちょっと重いですけども、
それさえあればその気持ちが失われることは
ないような気がしますけどね」
――この次はどういったことを
ゴールに置いて進んでいくか?
「どうかなあ? 次こういう状況が生まれるとしたら、
4000(安打)しかないですからね。
そこまではなかなかですから。
まあでも200本を5年やればね。
なっちゃいますからね。
どうっすかねえ?
3000っていうとみんな、
ホール・オブ・フェイム(野球殿堂)と
つなげることが多いと思うんですけども、
僕にとっては将来そんな、
いつの日のことか分からないことよりも、
まあ明日の試合に出たいっていうことが
大事なことだということですね」
――今日の試合で感情の振れ幅というのは
大きかったと思うが、
一番振れた瞬間というのは
どういうものだったか。
「アメリカには、粋という概念がない中で、
でも察するという概念はあるんだなと
いうふうに感じていて、
みんな察してくれてるんだって。
1打席、2打席、3打席と終わった時に
誰も何も言わないんですよ。
それがうれしかったですね。
みんな口にしなくても、
言葉にしなくてみんなわかってくれてる。
だからこそ結果を出したいという気持ちが
もっと強くなるし、まあでも誰も
声をかけなかったというのは
本当にうれしかったです。
だからまあ、あのヒットが出た時は、
当然そのギャップがあるわけですから、
みんなのあの顔を見た時は
すごく安心しました」
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各プロファイルの年の取り方、それぞれが魅力的で、
私自身とても愛おしく感じます。
イチローの頭にも白いものが増え、
ここまでの偉業を達しながらも、
自分のやり方に徹し、
ただ一歩一歩前進していく。
魅力的なアキュムレーターの年の取り方を
見せてくれています。
本当に、ありがとう。