工事で閉鎖されていたその公園がまた使えるようになったのは、ついこの前のこと。
5年ぶりに開かれたその公園は、高架に覆われて一日中日陰になってしまった。

遊具も新しくなった。配置も変わった。雑草が生えていない。
僕のノスタルジーは、僕の中だけにいてくれればいい。

でも、あの蛇口は、二度と虹を架けられることはないだろう、そう思った。
大人たちが運転する車が走る高架が架けられたのと引き替えに。



友達に付き合って、職員室に行った。
成績は悪くないくせに質問をしないかわいくない生徒である僕は、滅多に行くところではない。

そこできみの背中を見つけた。
少し髪が伸びていたようだ。僕が好きだったショートカットは、今や少しセミロングに近い。
最近きみはいろいろ頑張っているみたいだと、人づての人づてに耳にした。

もうそろそろいいだろう。
僕はきみを知らない。

あれは本当に、きみだったんだろうか。


やっぱり職員室なんて行かなければよかった、と思った。



降水確率100パーセントだったから、電車で学校に行った。
朝はラッシュの時間より少し前、でもやはり、田舎だてらに疲れるほどの人がいる。
(車両が少ないというのもある)

帰り、勉強したくないばかりに友達とうだうだしてから帰ったら、朝と同じくらいの人がいた。
この街でいちばん大きな駅で、ほとんどの人が朝は降りていき、夜は乗ってくる。

こんな風に人がたくさんいるところでは、ついあの人を探してしまう僕がいる。


天気予報はほとんど外れて、行きも帰りも雨には降られなかった。
これなら自転車で行ってもよかった。

100パーセントでも雨が降らないのに、それ以下の可能性にすがるなんて無茶なのかもしれない。


でも僕は今日も、あの日と同じ道を通って家まで歩いた。
あれから少しの距離を引っ越した僕にとって、その道はかなりの遠回りになるのだけれど。




心が貧しくなりがちな日々ですが、今日は珍しくいろいろなことを考えたので書いてみました。
結局いつもと変わらないかな。

人間は変わらない。
僕は僕を知らない。