大きな悲しみや動揺を避けるために、自分のこだわりを捨てようとしている。意見を対立させてプライドをへし折られるくらいなら、初めからそんなものはどこにもないように、つかみどころのない靄のようにして、本当の腹の底に隠してしまう。そんなのが今の私の生き方。執着することの愚かさやら、囚われてしまうことの無駄を、なんだか悟ったような超然たる感じで生きようとしている。それはただ、傷つきやすい自分を守ろうとして本当の姿をくらましてしまっただけの、臆病でセンチメンタルなマインドのような気もしている。一貫性などなくてよいから、自分のわがままやらこだわりやら、真剣な姿などを、たまには人目にちらつかせることも、かっこいいのではないかと思う。
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