ヘビは、鮮やかな色のロングスカートを揺らしながら財布片手にランチに出かける女性たちを見つめて小さく息を吐いた。
「ああいうコと付き合いたい。ああいう余裕のある女がいい」
談笑する女性たちが向かう先にはハンバーグステーキ店がある。
「肉食女子か。エロそう」
ヘビの独り言に蛙は笑顔で同意して、女性たちをおかずにたくさん話をした。経験豊富なヘビは好物を目の前にしても冷静に分析をして、懐かしさに浸っていた。蛙は女性たちに憧れながらも遠く及ばない現状を苦笑いしていた。
女性たちは気配を感じて振り返ったが、ヘビも蛙も視線を外しはしなかった。欲情と羨望と目が合えば誰だって後退りしてしまうのだろう。
ヘビにとって蛙は放っておけないから仕方なく一緒にいるだけだった。
蛙にとってヘビは初めて心を許せた友だちだった。だからいつまでも繋がっていたくて、蛙はヘビに見せたいと思っていたんだよ自分の成長をすべて。
【微力ながら、文字でもてなします】
題材にご希望あらば、どうぞ。ないとは思いますが、まずくても我慢ねがいます。
