「ケイト、あなたケイトじゃない」見れば、ケイトと同年代とおぼしき、いかにも労働者階級とわかる女性が、わが輩とケイトを交互に見ながら笑顔で立っている。
ケイトも一瞬、このぶしつけなアプローチにたじろいだ。
「覚えている?パットよ。
ほら小学校で同級だった」パットはケイトがグラマー・スクールに入るまえの一年間を同窓で過ごしたクラスメートだった。
パットの話によると、彼女はその後ペンキ職人と結婚し26年まえにここに入居したが、13年まえに多発性硬化症という難病にかかり車椅子に座ったままとなってしまった旦那さんを介護しながらここに住んでいるのだという。