短期連載 グローバリズムの虚構
難民移民問題の根は喫緊なる国防問題
中国経済の崩壊を機に世界が動く
中国バブルが崩壊した。昨年不動産バブルが崩れ、今年の夏以降、株バブル崩壊で一気に中国景気は下落した。世界最大の外貨準備を誇ったのは2年前の話だったが、いまや「元」を外貨に換えようと人民が殺到し混乱の中におかれる。今後中国は確実に不安定化へ向かう。中国が仮に内乱状態となったその時、日本は…。
中国経済の崩落
すでに承知であろう中国バブルが弾けた。高騰していた不動産価格、株価がともに下落、中国はバブル崩壊の苦境に直面している。中国経済下降の予兆は1年前からみられていたが、今後中国はかつての高度経済成長国から脱落する。これまで、世界中の企業は中国へ投資を競って行なってきた。その海外投資額は、中国GDPのおよそ半分を占めていた。しかし、そこから世界投資は中国から撤退し始めた。中国経済は急速に悪化してきているからだ。中国政府は即座に通貨元レートの切り下げ措置を行なったものの、景気に好影響することなく中国経済は深刻度を増している。元の切り下げという、自由市場経済への反旗を翻すリスクまで冒しても、想定された期待を裏切り中国経済は下降を続けているのだ。
格差甚だしい中国社会
中国バブルの崩壊から、この先日本に本格的な影響を及ぼすのは、これからになりそうだ。前例とみれば理解しやすいが、かつてリーマンショックの影響は、サブプライムローン問題からおよそ1年後に襲ってきた。それをみるまでもなく、景気への悪影響はタイムラグをもってやってくる。一時は米国に追いつき、将来的に米国を凌駕する経済力を持つとまで勢いづいていた中国だが、これから中国の成長を期待することはできない。
むしろ経済の下降によって、今後は政治の変化が気になるところである。なぜなら中国が長期停滞と空白の時代に突入することで、その不安定なる政権ゆえの懸念が国内外に波及することが予想できるからだ。中国の「格差問題」が、より厳しい状況にあるのは周知の事実だ。中国共産党員というエリート集団の頂点がある一方、農民や地方からの出稼ぎ労働者、さらにはチベットやウイグルをはじめ、周辺民族の労働者たちは、真っ先に切り捨てられる運命をたどらざるを得ない。あまりに短い成長だったために、繁栄の恩恵は人民の多くに行き渡らなかった中国。一部の共産党貴族たちと、利得者たちだけが誕生したまま中国の高度成長はいま収束しようとしている。
国内の不満を外交に転嫁
今後中国に残されるのは、国内の混乱と格差だけになる懸念が大きい。同時に、格差の矛盾を抱える中国にとって絶対に避けたい事態がある。
それは革命要因となる「人民の不満」が国内に渦巻くことである。失業率が高まり、暴動の頻発も避けられそうにない。そこで、一党独裁の軍国主義国家を維持するためには、国民の不満を外に向ける可能性が大きい。これは中国共産党が行なってきた方法だ。内政の混乱の関心を外に向けさせることで、内部の安定化をはかる手法である。
とくに南シナ海、東シナ海で中国の行動には注意を要することになろう。これまでの中国の言動を考えれば、軍事衝突を演出する可能性も考えられないことではない。バブル崩壊で混乱を来したものの、これを収束させるためには、政治や外交・安全保障の問題に転嫁することが一番効果的なのである。日本の集団的自衛権行使が今ほど対中抑止力として重要な時はない。
広がりみせる外国人の門戸
ここで、我が国のとるべき課題に目を向けたい。
民主党政権時代に運用が始まった、外国人高度人材制度で在留している外国人のうち、その半数以上を占めるのが中国人である。この外国人高度人材制度は、現在の安倍政権で受け継がれたばかりでなく、さらに高度専門職という資格が新設され、外国人の在留期間撤廃まで行なわれた。つまり、在留期間制限のない、永住者と同じ資格を与えたことになる。外国籍を持ったまま、無期限で在留できる資格を得られる制度そのものの施行によって、膨大な中国人在留者が日本に押し寄せる現象がおきている。すでに「移民政策」に舵をとりつつある安倍政権だが、今後の方針で、政権運営の支障となるやもと危惧される。
安倍内閣が進める外国人受け入れ展開の政策には二つある。一つは、未熟練外国人を安い労働力として受け入れる、グローバル人材育成制度や技能実習制度。そして、もう一つが高度人材受け入れ制度である。現在、外国人技能実習人材を受け入れる業種は、農業、建設業、製造業など68業種にのぼっている。
この最長残留期間は3年だが、昨年4月に建設業と造船業に限り、実習期間を3年から5年に延長したことは新聞にも報道された。さらに、昨年6月には、建設業に限らず全ての業種で実習期間を5年に延長する方針が打ち出されるなど、外国人の受け入れの門戸は急速に拡大していく方向へと向かっている。
(つづく)