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2009年11月16日


鳩山首相は米国からの自立を本気で目指している気がする


 鳩山首相の言葉にはハラハラさせられっぱなしだ。


 13日の鳩山・オバマ首脳会談では普天間基地移転問題は早期に解決する事で合意した。


 そう共同記者会見でオバマ大統領も鳩山首相も述べていた。


 翌日の各紙もそれを一斉に合意事項であると報じていた。


 それを前提に私も、その合意に懸念を抱き、鳩山首相に助言めいた事を書いてみたりしてきた。


 ところが、一夜明けた14日に、鳩山首相はシンガポールで同行記者に次のように語ったという。


 「・・・早くまとまればいいと思うが、(オバマ大統領に)年末までと約束したわけではない。


オバマ大統領は日米合意が前提と思いたいだろうが、それが前提なら作業グループをつくる必要はない・・・名護市長選挙の結果に従って方向性を見定める事もある・・・」


 これはものすごい発言である。

 

私はこの発言を全面的に支持する。


 しかし、この発言は危うい。


 外交の常識から逸脱している。


 米国に不必要な不快感と警戒感を抱かせる事になる。


 自民党やメディアに攻撃材料を与える事になる。


 民主党内の不一致を際立たせることになる。


実際のところ岡田外相が沖縄を訪問して、早期解決、年内決断の発言を繰り返した。


 各紙はそれらを一斉に書きたてている。


 「日米の距離、一夜で露呈」(15日日経)、「首相発言に危うさ」(16日朝日)、「石破氏『背信行為だ』」(16日産経)、「普天間、閣内にきしみ」(16日日経)、などなど。


 今のところ米国は反応を示していないが、ジャパンハンドラーたちが必ず批判してくる。


 まったく鳩山首相の発言にはハラハラさせられる。


 しかしである。


 ここからが私が書きたい事だ。


 ひょっとして鳩山首相は腹に決めているのではないか。


 普天間基地の県外移転を。


 いや国外移転さえも。


 それが国内の親米保守派や米国の強い反対を招こうとも、彼はそれが正しいと思っているのではないか。


 彼は沖縄住民の気持ちを最優先するのではないか。


 私は沖縄県民は、いまこそ鳩山首相とともに立ち上がるべきだと思う。


 米軍基地などなくても、いや米軍基地が無いからこそ、沖縄の無限の可能性を我々の手で切り拓いてみせる、と。


 日米戦争の唯一の地上決戦の場であった沖縄の、その沖縄の住民が立ち上がった時、米国はたじろぎ、反論する言葉を失うだろう。


 鳩山首相はその先頭に立つべきだ。


 ひょっとして鳩山首相は日米関係を本当に変えてしまうのではないか。


 対米従属に終始するあまり完全にその精神が腐りきってしまったこの国の政治家や官僚、財界人は、そしてそれにくみするこの国のメディアは、日米関係を悪化させてはならないと、うろたえるだろう。


 しかし、うろたえるのは米国の方だ。


 ここまで米国の役に立て来た日本が覚醒し、自立すれば、それは米国にとって大きな打撃になるからだ。


 鳩山首相は戦後のどの政治家もできなかった事を目指して欲しい。


 正しい日米関係を構築してもらいたい。


 来年の安保改定50周年記念は、軍事協力から決別した、日米友好関係の関係のスタートにするほかはない。


 それが出来るのは鳩山首相しかいない。