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【北京=野口東秀】


中国の温家宝首相は4日、平壌入りし、3日間の北朝鮮公式訪問を開始した。


国営新華社通信などによると、温首相は北朝鮮の金英逸首相と会談、両首相は経済・貿易などに関する協力文書に調印した。


温首相の訪朝は2003年の就任後初めてで、中国首相としては1991年の李鵬首相以来18年ぶり。


平壌の空港では金正日総書記が出迎えた。


金総書記が元首以外の外国要人を出迎えるのは異例だ。


温首相の今回の訪朝は、3月に金首相が訪中したことへの答礼訪問で、6日に行われる中朝国交樹立60周年の記念行事に出席する。


滞在中に予定される金総書記との会談などを通じ、6カ国協議への復帰を直接要請するとみられる。


中朝両国がこの日調印した経済・貿易などに関する協力文書に関連し、中国外務省の姜瑜報道官は「経済発展と民生改善のため」として北朝鮮に経済援助を実施する方針を示した。


国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に基づく制裁措置が続く中、中国としては援助カードを使って、北朝鮮から核問題で譲歩を引き出す思惑とみられる。


温首相訪朝の地ならしとして、戴秉国国務委員が9月中旬に訪朝したが、中国政府関係者によると、北朝鮮側とは「食糧や石油などの支援について協議した」という。


金総書記は戴国務委員と会談した際、核問題で「2国間および多国間の対話」に応じる構えをみせており、今回、行われるとみられる金総書記と温首相の会談の行方が注目されている。


温首相には楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相のほか、6カ国協議の議長を務める武大偉外務次官、中国共産党の王家瑞対外連絡部長らが同行。


北朝鮮側は金総書記のほか、金永南最高人民会議常任委員長や金英逸首相らが出迎えた。


金総書記は一時健康悪化説が流れたが、空港に温首相を出迎えた際、両手で首相の背中を抱えるなど順調な回復ぶりをうかがわせた。