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【シンガポール=宮野弘之】

インドネシアの首都ジャカルタ中心部の米国系高級ホテルで17日起きた同時爆弾テロ事件で、インドネシア国家警察は19日、事件がイスラム過激派組織ジェマ・イスラミア(JI)による犯行と断定した。

事件の首謀者とされるヌルディン・トップ容疑者(45)は、JI内でも国際テロ組織アルカーイダとの関係が深く、東南アジアでのイスラム革命の実現を主張する強硬派だ。

一時、弱体化したとされるJIが同容疑者の下で復活したとすれば、今後も同様のテロが起きる可能性は高い。

国家警察スポークスマンは19日、実行犯2人はいずれもJIメンバーの男性であるとしたが、身元は1人の名前を「N」とした以外、公表しなかった。

JIは2002年にバリ島で外国人ら200人以上を殺害するなど、インドネシアを中心に爆弾テロを繰り返してきた。

04年以降、テロ撲滅を掲げたユドヨノ政権の下で創設された対テロ特殊部隊が、JIの幹部多数を逮捕するなど取り締まりを徹底させ、組織は弱体化したとされていた。

しかし、摘発を逃れたヌルディン容疑者は、アルカーイダとの関係を誇示することで、インドネシアだけでなく自分の生まれたマレーシアなどでもイスラム教徒の支持を集め、勢力を拡大してきたとみられる。

テロ問題に詳しいシンガポール・ナンヤン工科大学のアラビンダ研究員は、「組織が分裂したにもかかわらず、JIが新メンバーを集めテロを行う能力を持ったことは明らかだ。

ヌルディン容疑者が逮捕を免れたことをみても、インドネシアなどには米欧などを嫌い同容疑者を支援する過激なイスラム教徒は多い。

今後、JIによるテロが増える可能性がある」と話している。