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「日本一のカン違い男」こと東国原知事が、国政転出の口実にしている「地方分権の実現」。


知事の尻を追いかけ回す民放テレビを通して、このセリフだけは有名になったが、インコー知事が錦の御旗に掲げる「地方分権」って何なのか。


自民党の総裁になれば実現するものなのか。


「東国原知事が言う地方分権は、財源だけでなく、行政権や立法権など主な国の権限をすべて地方に移せという主張です。


知事就任当初から『九州独立』『理想はEU』と公言。


米国の州のような姿を想像しているのかもしれません」(宮崎県政記者)


 だが、税収の地方移譲だけ取り上げても、東国原は昨春の道路特定財源問題の時、「地方が自由に使えるように」と民主党が主張していた一般財源化に猛反対していた。


せっかくの新しい試みを潰しておいて、どこが「地方分権」なのか。


 我孫子市長を3期務めた中央学院大の福嶋浩彦教授(地方自治)はこう言う。


「地方分権というのは、国が地方自治体に権限を振り分けるという意味ではありません。


主権者である住民が、権限をコントロールしやすいように国と自治体に分けて与えるということなのです。


東国原知事の地方分権には、この市民主権という発想がゼロなのです」


 つまり、東国原の「地方分権」の主役は住民じゃない。


「地方だって、権限さえあれば好き勝手にできる」という独裁者に似た危うい発想だ。


自民党の古賀選対委員長に「総裁にしてくれ」と迫ったのもうなずける。


●スネ傷男が霞が関を敵に回せるのか 民主党でなければやれない大改革


 もうひとつ、この男の行動には決定的なデタラメがある。


「東国原知事は、省庁を横断して権限を掌握できるため、自民党総裁になりたいと言っている。


しかし、自民党総裁になれば実現できるほど地方分権は簡単なものじゃない。


『地方分権改革委員会』が切り込もうとしている国の出先機関の見直しや地方移譲ひとつとっても、霞が関の全役人のサボタージュでまったく進まない。


出先機関の財源と人員を地方に渡すと、財布も手足も減ってしまうから官僚は必死。


ヘタに推し進めようとすると、政権そのものが役人たちの手で潰されてしまう。


首相を代えて白紙に戻してしまうのです。


だから地方分権が叫ばれて15年も経つのに進展がないのです。


仮に東国原氏が自民党のトップになっても、スネに傷だらけの人物だから、官僚たちに鼻で笑われながら、あしらわれるのがオチです」(霞が関事情通)


 地方分権の第一歩は、霞が関の解体、抵抗官僚のクビ切りしかない。


それをやろうとしているのは、自民党でなく、民主党だが、カン違い知事は自民党にだけえらく入れ込み、政権交代を阻止しようとしている。


 何から何まで大矛盾、すべてが大ウソということだ。


(日刊ゲンダイ2009年7月3日掲載)

2009/7/6 10:00 更新