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裁判官、検事、弁護士は“法曹”と括られ、司法に関係しているとは言えるかもしれないが、憲法76条で「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」と規定されており、検察は司法権の担い手ではない。


なお、国政調査権は、司法権の独立により裁判や判決には及ばないとされている。


しかし司法全般に国政調査権が及ばないわけでなく、予算執行とか、裁判官会議など“司法行政”は国政調査権の対象である。


ロッキード事件のとき最高裁判所が、米国人の証言を引き出すために、“司法取引は有効で証言者の犯罪が訴追されることはない”という意味の、日本の法律にない“司法取引”を容認する“宣明書”なるものを発行したことについて、後に、判決や決定の司法行為ではなく裁判官会議が出した“司法行政行為”だと説明したことがあり、それなら国政調査権の対象になると問題になったことがある。


なお、最高裁判所により権威づけられた司法取引で得られた“コーチャン証言”の証拠価値が後に最高裁判所で“違法な司法取引”を理由に否定された。


もっとも、この証拠を除いても田中角栄氏の有罪は変わらないというものであったが。


悪質なのは、検察庁と裁判所を意図的に混同させて「三権分立の原則から検察には国政調査権が及ばない」とする自民党や共産党の主張で、“起訴便宜主義”を悪用している検察の違法行為を免罪しようとする意図が見え透いている。


なお、逮捕や刑の執行など実力行使を伴う行為は全て行政行為であり、逮捕や家宅捜索に裁判所の令状が必要なのは、実力行使によって不当な人権侵害などがないよう事前に司法の判断を求める制度であり、検察を司法の一員とする制度ではない。


ただ、検事も裁判官も同じ法曹資格を持った公務員で、令状の判断などが形骸化している面はあるかも知れない。


検察は行政に属し、法務大臣の指揮下にある。


ただ、個々の捜査に行政権力が直接的に介入することは好ましくないので、法務大臣が検事総長だけを指揮できることになっている。


実際に行うと“指揮権発動として大問題になるため余り使われることはないが、法制上は、首相→法相→検事総長→検察組織、の指揮命令系統が存在する。


また、大っぴらに“指揮権発動”すると問題になるから、裏で指揮・命令していることは漆間副官房長官の発言で明らかで、実質的にも首相以下の行政権力の支配下にある。


国家公務員法の守秘義務違反のリークなどは捜査そのものの問題ではない。


捜査は合法的に行わなければならないから、違法行為を質して捜査に影響あるはずはない。


捜査上違法行為も必要であるというならその理由を聞かなければならないが、そんなことを正当化できるはずがない。


法治国家の検察業務執行のあり方の問題であり、行政組織である検察の違法行為は首相や法務大臣の責任で正されなければならないが、それが出来ないのであれば国政調査権により厳しく追求されるべきである。