先住民族権利宣言を採択 20年以上の議論の末 国連【朝日】

http://www.asahi.com/international/update/0914/TKY200709140065.html

2007年09月14日10時36分


 先住民族に先祖伝来の土地の権利や民族自決権など幅広い権利を認める「先住民族の権利に関する宣言」が13日、国連総会で賛成143、反対4、棄権11で採択された。


宣言に拘束力はないが、日本政府によって土地や資源、文化が奪われたと主張するアイヌ民族からは、アイヌを先住民族として明確に認めない政府に新たな対応を求める声が高まりそうだ。


 宣言に関しては80年代から議論が続けられてきたが、民族問題を抱える加盟国の同意を取り付けるのに20年以上を費やした。


採択を受け、潘基文(パン・ギムン)事務総長は声明で「世界の先住民にとっての勝利だ」と歓迎した。


 46条からなる宣言は、先住民にすべての人権と基本的自由を保障。


同意なく没収された土地、資源の返還を含めた権利、固有文化を実践・復興する権利や、民族自決権などが盛り込まれている。


 当初難色を示していたアフリカ諸国は、国家の主権や統一を損なう行動を承認しないと明示した修正を受けて賛成に転じた。


日本も「民族自決権は国家からの独立を意味しない」ことなどを強調して賛成。


米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは国内法との整合性が取れないなどの理由で反対した。