僕は電車にゆられている。
満員電車ではないけれど、空いてる席はない。
僕は座席に腰を降ろしている。
隣りに座ってる女の子のクツが、僕が履いてるそれと同じものだと気づく。
こうして並んで座ると少し可笑しく思える。
ある駅に列車止まり、また、乗客が数人乗り込んでくる。
腰の折れた小さなおばあちゃんが杖をついてこっちに向かってくる。
親切のつもりで僕は席を立ち、おばあちゃんとは違う方向へ行き、吊革に捕まった。
ところがおばあちゃんは空いてる席を通り過ぎ、僕のとなりで吊革に捕まった。
次の駅に着くと、また乗客が乗り込む。すると、当然ながら僕が座っていた席は瞬く間に奪われた。
きっと、すぐに降りるんだろう。
向こうの方で、リュックをからったおばあちゃんが乗ってきた。
男性が、席を譲る。『ここ、どうぞ』
リュックのおばあちゃんは笑って
『気にせんでいいと、座っときなさい』
男性『いや、どうぞ』
リュックのおばあちゃん『大丈夫、大丈夫』
そんなやりとりを何回か繰り返し、結局、リュックのおばあちゃんは立っている。
杖のおばあちゃんはといえば、次の駅も、その次の駅でも立ってる。
すると、ある女の子がおばあちゃんに話しかけた。『ここに座ってください。』
おばあちゃんは深く頭を下げ、お礼を言い、女の子が譲った席に腰をおろす。
女の子は僕の隣りで吊革に捕まる。
その女の子のクツが、僕の履いてるそれと同じものだった。こうして並べて見ると、僕の靴の方が汚れていることに気づいた。
博多駅についた。
杖のおばあちゃんはもう一度、女の子にお礼を言って去っていった。
リュックのおばあちゃんはもう一度、男性にお礼を言って去っていった。
満員電車ではないけれど、空いてる席はない。
僕は座席に腰を降ろしている。
隣りに座ってる女の子のクツが、僕が履いてるそれと同じものだと気づく。
こうして並んで座ると少し可笑しく思える。
ある駅に列車止まり、また、乗客が数人乗り込んでくる。
腰の折れた小さなおばあちゃんが杖をついてこっちに向かってくる。
親切のつもりで僕は席を立ち、おばあちゃんとは違う方向へ行き、吊革に捕まった。
ところがおばあちゃんは空いてる席を通り過ぎ、僕のとなりで吊革に捕まった。
次の駅に着くと、また乗客が乗り込む。すると、当然ながら僕が座っていた席は瞬く間に奪われた。
きっと、すぐに降りるんだろう。
向こうの方で、リュックをからったおばあちゃんが乗ってきた。
男性が、席を譲る。『ここ、どうぞ』
リュックのおばあちゃんは笑って
『気にせんでいいと、座っときなさい』
男性『いや、どうぞ』
リュックのおばあちゃん『大丈夫、大丈夫』
そんなやりとりを何回か繰り返し、結局、リュックのおばあちゃんは立っている。
杖のおばあちゃんはといえば、次の駅も、その次の駅でも立ってる。
すると、ある女の子がおばあちゃんに話しかけた。『ここに座ってください。』
おばあちゃんは深く頭を下げ、お礼を言い、女の子が譲った席に腰をおろす。
女の子は僕の隣りで吊革に捕まる。
その女の子のクツが、僕の履いてるそれと同じものだった。こうして並べて見ると、僕の靴の方が汚れていることに気づいた。
博多駅についた。
杖のおばあちゃんはもう一度、女の子にお礼を言って去っていった。
リュックのおばあちゃんはもう一度、男性にお礼を言って去っていった。