福島の原発事故は「経済」か「いのち」かという二者択一を国民に迫る。
あなたはどう思うの?
「二者択一で問うてはいけないんだよ。この問題は」
お湯割りの湯気が鼻をくすぐる。
「イノチを育むためには、ケイザイが不可欠だろう?」
「うん」
「なのに、この二つを対立する命題として知識層やマスコミは、われわれに問うのだ」
あなたの目が細くなった。
わたしは、あの地震がなかったらとか、これからどうするのかとかばかり考えていた。
「過去」は当たり前としても、「未来」だって人間はどうすることもできない。
お酒を一口転がしながら飲み下して、おもむろにあなたは口を開いた。
「今を生きるには、清濁あわせ呑む知恵が必要なんだよ。そのための議論なら大いにしていい」
「ディベートでは、なにも生み出さないかも」
「とはいえ、ディベートやブレインストーミングが方法論としては必要なんだよ。そうやって粘土をこねるように言葉をもてあそびながら作品としての行動を見出すのさ」
それでもわたしは、電力会社の態度に不満を抱かざるを得ない。
「自然エネルギー利用より原発利用のほうが電気のコストが安いっていうのは、原発推進に有利な試算じゃないかしら。恣意的なものを感じるわ」
「そりゃそうさ。原発推進が依然として国策であることは、じつは動かざる事実なんだ。おおかたの国民にとって国策にろくなものはない。かつてこの国は、国策で国民を戦争に巻きこんだだろう。国策は国民のためというのは表向きで、国や資本家のためのものだ」」
わたしも、陽炎のような焼酎を口に含んで転がし、うなずく。
「節電、節電ってうるさいのも、電気を人質にして脅迫されているみたい。寒いのが嫌なら、原発を稼働させろって聞こえるわ」
「はは、まったく」
あなたは、さも面白そうに笑う。
「絆」が今年の漢字として選ばれた。
わたしも異論はない。
地震に遭って、友や家族との「絆」を確認しあった人は多いだろう。
「ポチタマ」の「だいすけ」君が死んだそうだ。
ご冥福をお祈りします。
あなたはどう思うの?
「二者択一で問うてはいけないんだよ。この問題は」
お湯割りの湯気が鼻をくすぐる。
「イノチを育むためには、ケイザイが不可欠だろう?」
「うん」
「なのに、この二つを対立する命題として知識層やマスコミは、われわれに問うのだ」
あなたの目が細くなった。
わたしは、あの地震がなかったらとか、これからどうするのかとかばかり考えていた。
「過去」は当たり前としても、「未来」だって人間はどうすることもできない。
お酒を一口転がしながら飲み下して、おもむろにあなたは口を開いた。
「今を生きるには、清濁あわせ呑む知恵が必要なんだよ。そのための議論なら大いにしていい」
「ディベートでは、なにも生み出さないかも」
「とはいえ、ディベートやブレインストーミングが方法論としては必要なんだよ。そうやって粘土をこねるように言葉をもてあそびながら作品としての行動を見出すのさ」
それでもわたしは、電力会社の態度に不満を抱かざるを得ない。
「自然エネルギー利用より原発利用のほうが電気のコストが安いっていうのは、原発推進に有利な試算じゃないかしら。恣意的なものを感じるわ」
「そりゃそうさ。原発推進が依然として国策であることは、じつは動かざる事実なんだ。おおかたの国民にとって国策にろくなものはない。かつてこの国は、国策で国民を戦争に巻きこんだだろう。国策は国民のためというのは表向きで、国や資本家のためのものだ」」
わたしも、陽炎のような焼酎を口に含んで転がし、うなずく。
「節電、節電ってうるさいのも、電気を人質にして脅迫されているみたい。寒いのが嫌なら、原発を稼働させろって聞こえるわ」
「はは、まったく」
あなたは、さも面白そうに笑う。
「絆」が今年の漢字として選ばれた。
わたしも異論はない。
地震に遭って、友や家族との「絆」を確認しあった人は多いだろう。
「ポチタマ」の「だいすけ」君が死んだそうだ。
ご冥福をお祈りします。