OTワトのブログ

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86歳女性





息子家族と2世帯住宅に住んでいますが、1階でお1人暮らしの状態です。退院後は自宅に戻る予定ですが、骨折した足は完全には良くならないだろうし、ご年齢からも今までのように料理や掃除などの家事は難しいかもしれないと感じました。




彼女は専業主婦として、家族をサポートしてきたそうです。

夫と子供2人の4人暮らしの時には、糊の効いたワイシャツ、美味しい食事、温かいお風呂を用意し、家族を支えるのが日課でした。

次男が結婚して二世帯住宅を建てると、今度は共働きの夫婦を支えるために、孫の世話や家事を一手に引き受けたそうです。ある時友人に「夕飯まで作ってあげていると、娘さんのためにもならないし、あなた自身の生活を考えなきゃいけないわよ」と言われて、食事作りだけはやめたそうです。しかし、今でもお孫さんは週末になると「何かない?」と顔を出しては冷蔵庫を開けて、小腹を満たすものをごそごそと「物色」するそうです。



「もう若い人達とは食べるものが違うから」とおっしゃり、食事はもちろん生活スタイルも別々で、1人でいる時間をもて余しているとおっしゃっていました。



日が昇り、そしてゆっくりと沈んでいく頃、静かな彼女の生活の中に、人の気配が感じられるようになります。お嫁さんが帰宅、それから高校生の孫が帰宅、徐々に2階から生活音が聞こえてくるようになります。



「足音を聞いていると落ち着くの」そう言うとふと穏やかな笑みを浮かべました。



猫の手も借りたいほど忙しく家族の世話に明け暮れた日々、

少し年は取ったけれど、まだまだ子供や孫のために懸命にサポートした日々、

そして、今は2階の足音に耳を傾けながら、静かに家族を思いやる毎日。


とても長く、

いいえ、もしかしたらあっという間の事なのかもしれない、

彼女の主婦としての人生が、その一言に込められている気がしました。

80代なんてまだ先と思っているけれど、あっという間なのかもしれないな。

そして自分がその年まで生きることができたら、この言葉にはまた違う想いが込められていることに気が付くのかもしれない。そんな事を思いながら頷いて聞いていました。