
2011年10月5日、サハラッタナ・ナコン工業団地が水没した。
バンコクから北に100kmの所にある、タイ国工業省工業団地公社が造成し誘致した工業団地が、である。
このニュースは日系企業を始めバンコク北部に工場進出している企業に震撼を与えた。
サハラッタナ・ナコン工業団地から20km南のロジャナ工業団地にあるホンダの4輪車工場が水没したのは、その僅か3日後、10月8日の事だった。ロジャナ工業団地の最大水深は2.89mにまで達した。
その翌日10月9日、ロジャナ工業団地から南西に30kmのところにあるTotal Entertainment (TE)のスキーサイトに私はいた。
いつもと変わらぬ水面、一面の芝生。最高の環境でスラロームを滑る。
唯一異なる事はスキーサイトの荷物が、私の物を除いて全て撤収されていた事だ。
なんだかまずそうな気がして、スキーもライフジャケットも、Reflexのテントも、全部自宅に持って帰る事にした。
TEからの帰途、チャオプラヤ川を渡る。

いつになく満水だ。
いや、むしろ溢れている。
そして道ばたを見る。

ここは自動車専用道路。日本で言えば東京外環道か環八。高架ではないが、非常に重要な幹線道路。
道路脇に延々と小さな堤防が築かれている。
既に道ばたは水深40cmぐらいになっている。
まずい、TEが水没するかもしれない。
初めて、そう思った。
そういえばGeoffが言っていた。
2006年にも水没したんだと。
そのときはTEの地面に対し1m強の水が来たとの事。
その後アユタヤのチャオプラヤ周辺には堤防が築かれた。
でもね、堤防は完璧ではなく、今回各地であっさり決壊しているようだ。
結果、徐々に水が来るのではなく、堤防が決壊した瞬間に水位が1mとか2mに達する様子。
日本の堤防は巨大です。
タイの堤防はシンプルです。
水は重たく強力です。
TEが心配になった瞬間でした。