宮工水球部は、大学チームとの合同練習に参加することになった。
大学生の強烈な当たりとスピードに、颯真たち高校生は何度も弾かれ、ボールも思うように取れない。

「痛い!けど…逃げるな!」
滝本コーチの声が響く。

最初は押され気味だったが、颯真は意識を変える。
「出来る出来ないじゃない。挑戦するんだ」
弱い相手には自然と力が出ない自分に気づき、大学生の厳しい当たりを自分の“練習相手”として捉え直す。

やがて、高校生チームは少しずつ大学生のプレーを受け止め、パスやシュートに挑戦できるようになった。
勝ち負けではなく、挑戦することに意味がある
それこそが宮工水球の精神であり、虎の穴の水球の核心だった。

練習後、田中が颯真の肩を叩く。
「今日の練習でお前は少し、虎の穴に近づいたな」

颯真は初めて、自分の成長を実感し、胸が熱くなった。