CASIO PRO TREK PRW-6600Y-1JF / Cal.5571
プロトレックの機能性は欲しいが買うモデルがない
PRW-6000はとうの昔に売却。
巷で評判のいいPRW-7000も全く気に入らず、高値で売れるうちにヤフオクで売りさばいてしまった後、所有のプロトレックは旧マナスルPRX-7000だけという状態が続いていた。
PRX-7000には、僕がプロトレックに求める5大機能、すなわち
・電波ソーラー
・デジアナ
・オートライト
・デジタル部に常時表示する気圧傾向グラフ(SUUNTOで知った天気予報に有効な機能)
・時報
のうち、時報が備わっていない。また針で表示される気圧計はギミックとしては面白いのかも知れないが装備されていないに等しいほど実用性に乏しい。
とはいえPRW-7000やPRW-6000/6100を再度買うことは選択肢としてあり得ないし、10万円以上出してほぼほぼPRW-7000のデザインに似たPRX-8000も買う気がない以上、購入するモデルがなかったのである。
奇跡の洗練モデル
折しもGST-B100の記念モデルというウブロコピーの発表に辟易した後、非電波ソーラーのPRG-600に似たPRW-6600が発表された。画像で見た印象は少々おとなしい感じであったが、実物を見て購入意欲が沸々と湧いてしまった。
・フルアラビアのダイヤルの意匠
・比較的で薄型で軽量、腕に馴染む本体
・装着感が悪くはないシリコン製のベルト
・ムラ無く照らすオートライト
・市販の替えベルトを使える、ワンタッチのバネ棒
・既に定評がある電波ソーラーやトリプルセンサー
・そしてリーズナブルな価格
この内容で実売60,000円だったら買うのに一週間は熟考するだろう。しかし実売35,000円だったら即買いだ。
PRW-7000との比較では、「アップライト」と称されたすり鉢のような深い不細工なダイヤルが薄い空間に作るのが常套手段であるという基本に立ち返り視認性が増した。いたずらに大きく重い本体も薄く軽く仕上がり、ムラのあるオートライトも改善、腕に全くなじまないカボンファイバーインサートバンドも廃止、液晶位置も標準に。
何よりデザインを壊していた不格好な小針を廃止し、正当な時計の文脈に収まったのが大きい。表記がスタンダードな都市名のみ落ち着きヘアラインが入ったベゼルも、差し色が「過度に」無意味ではないのがよい。ダイヤルにも余計な表記がないのが良い。
逆にネガは、チープな素材の竜頭、非サファイアガラス、ベゼルと合わない尾錠であるが、価格が上がるのであればこのままで良い。防水は10気圧で十二分。
表示機能を表すレトログラード針は、PRW-7000のように液晶内に表示すれば不要との考え方もあるが、僕はこのくらいの遊び心はあって良いと思う。
カシオには是非、PRW-6600をベースにエイジド金ベゼルを装着したPRW-6600Vや、チタンバンドを装着した伝統のブルーモーメントPRW-6600YTを発売して欲しい。これらのモデルが発売されれば、予約買いしたいと思う。
さて、これからPRW-6600を買おうとする人にアドバイス。ベルトではなく差し色(グリーン・オレンジ・ホワイト)で選べば良いと思う。
仕上がりから見るとベルトはシリコンがベストであり、仮にナイロン製が良いのであれば社外製の汎用24mmにでもNATOベルトにでも交換すれば良い。交換は前述の通りワンタッチで可能。修理扱いとなり工賃も徴収されるのが解せないが、カシオ純正相互にも換装できる。
PRW-6000/6100は、従来のプロトレックらしい野暮ったい時計。
PRW-7000は、野暮ったく洗練された時計。
対してPRW-6600は、洗練された野暮ったい時計。
そんな印象を持っている。
PRW-7000の野暮ったい洗練方法は、従来のプロトレックの文脈にあると思う。PRW-6600は、今後発売されるかどうかわからないプロトレックの突然変異、プロトレックの奇跡であるとさえ思う。
<追記>
PRW-6600の路線の新製品として、今月PRW-60が発表された。端的に言えば、ダイヤルの表記からアラビア数字が消えシンプルになっている。
さて、この機種はベルト交換遊びにも最適である。汎用の24mmが使用できるためチョイスに幅がある。
純正はおとなし目のデザインで、装着感は良いが迫力が無いのっぺりした印象になっている。そこで、バンビのBG009M-Wに交換してみた。あの有名なサウンド・ロゴを想起させるバンビ製だ。アートな感じの迷彩柄が気に入っている。
さらに汎用のホールディングバックルも到着してみた。ベゼルの雰囲気に合わせ、耐水ペーパーでヘアラインを入れてサテン仕上げに。