前回は「純ジャパ」の私が中3で大学レベルのGTEC for Studentsグレード7を獲得するまでの勉強法をお伝えした。私は海外に住んだことはなく、英語を本格的に勉強し始めたのは中学生になってからだった。
言語を習得するのは年齢が低い方が良いとよく耳にする。実際に文部科学省の学習指導要領でも、英語を学習し始める学年が徐々に下がっている。2011年度から小学5・6年生で「外国語活動」が導入され、2020年度から3・4年生が「外国語活動」、5・6年生は「外国語」を授業として行うことになった。
私が小学5年生のときが「外国語活動」の導入初年度であった。しかし、あまり意味を感じなかった。ALTの先生の言ったことをオウム返しするだけで、発音も語彙も文法も何一つ身につかなかった。『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説-文部科学省』でも、以下の課題が指摘されている。
①音声中心で学んだことが,中学校の段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていない
②日本語と英語の音声の違いや英語の発音と綴りの関係,文構造の学習において課題がある
③高学年は,児童の抽象的な思考力が高まる段階であり,より体系的な学習が求められる
この指導要領によると、2020年度からの「外国語活動」は「文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする」など、今までより効果的な活動が行われるようだ。さらに、「外国語」は「音声」「文字及び符号」「語、連語及び慣用表現」「文及び文構造」を体系的に学ぶことになっている。授業の内容は改善されていると言えるだろう。
しかし、日本語も習得できていない3年生に英語を教えるのは早すぎるのではないか。3年生といえば、まだ漢字を学習し始めたばかりの学年だ。日本語の使い方もわかっていない子供に英語のルールを教えても、どちらも中途半端になってしまいかねない。
また、効果的に英語を教えられる人材が全国の小学校にいるのかという点も疑問である。英語のルールを教えられず定型文を覚えさせるだけになるようなことがあったら、それは語学とは言えない。
私は中学生で勉強し始めるのがちょうど良いと考えている。中学生は日本語を相対化できるだけの思考力が育っており、なおかつ日本語とは異なる「システム」を自分のものにできる吸収力も残っているからだ。日本語の相対化とは、日本語の発音や文法の「システム」にとらわれずに英語を捉えるということだ。
小学生以下の子供にはその思考力が足りないので、英語を「外国語として」学ぶことは難しいと思われる。中学校の国語で日本語の文法(品詞や活用)を学ぶのも、中学生ぐらいでようやく日本語を外から眺めて分析できるようになるからではないだろうか。英語を「母語として」使う環境でなければ、まずは日本語の能力を高めるべきだろう。
そうは言っても、日本にいれば英語を使わなくても生活できるので、やる気が出ない学生もいるだろう。そんな子には、中学生の間は英語だけでも継続的に勉強するように伝えたい。他の科目は試験前の付け焼き刃でもある程度身につくが、英語は単語・発音・文法それぞれの「システム」を使い続け、アップデートし続けなければならない。
グローバル化が進む現在、学生時代は英語が必要になるとは思っていなくても、仕事で英語を使わなければならないというような状況はいくらでもあり得る。だが、言語を学ぶには吸収力が高い学生時代の方が適している。だから、学生時代に英語を勉強する機会がすべての人に与えられるべきだ。それこそが、義務教育で英語が教えられる理由なのではないか。
また、外国語を学ぶことで日本語を、ひいては日本の文化を相対化できる。グローバル化によって、異文化との交流は避けて通れなくなるだろう。自らの文化にとらわれないことはその第一歩だ。さらに、日本語を外から眺めて分析することで、言語をより正確に使えるようになる。「正確に」とは、伝えたい内容に最も適した表現ができるということだ。だから、たとえ自動翻訳が可能になったとしても、英語を学ぶことの価値は不変である。
私がそうであったように、中学生から勉強し始めても、効果的な学習法を実践すれば英語を使えるようになる。にもかかわらず英語を使えない日本人が多く存在するのは、英語を学ぶ意義が理解されていなかったからではないだろうか。意義も分からず「勉めを強いられる」だけの勉強には限界がある。
「私が教えます」は東京大学や早稲田大学などの学生がオンラインでの面談や添削指導によって学習を支援するサービスだ。勉強で得られるものを知っている私たちだからこそ、生徒様に自分から、楽しんで学んでいただけると信じている。
「私が教えます」のホームページはこちら
無料相談はこちら
東京大学教養学部2年/「私が教えます」代表教務 Kuma
