私の子宮頚部腺癌闘病記 -2ページ目

私の子宮頚部腺癌闘病記

私の患った癌について綴っていきます

癌と告知されて、子宮広汎全摘術をした日から5年が経ちました。
手術日から丸5年経つその日まで、さまざまな思いと共に過ごしました。
もちろん日々の生活があり、子供も幼稚園に入園し、毎日子育てをしながら過ごしてきているので、その間24時間常に癌の転移や再発の不安と闘っていたわけではなく、家族や息子とたくさん笑ったり、旅行を楽しんだりと、癌のことを忘れる時はたくさんありました。それでも頭の片隅には必ず癌への怖さがあり、時々夢中で癌について調べたり、異常にピリピリと健康について気を遣ったり、神経過敏のストレスから家族にあたったりする日もありました。

私の癌の場合術後5年間転移再発などの兆候がない場合、一般的にはその後も転移再発する可能性は低いと言われています。私はそれを聞いて、自分の中での気持ちの区切りとしてずっとその日を迎えるのを待っていました。そして、やっとその日を迎えることができました。

いつもと変わらない1日。夕方私は息子をお迎えに行く車の中で、ふと自分が癌であることを知らされる前の気持ちが蘇ってきました。結婚し、妊娠し、家族が増えていく喜びをかみしめながら、病気のことなんて考えもせず、これから先の明るい未来に心を躍らせていた頃。子供は母乳で育てよう、産んだらカンガルーケアしたいな、できるだけ早く2人目も欲しいな、できるだけおしゃれなお母さんでいたいな。 何の恐怖心もなく、ただただ明るく将来を考えていた頃の自分が突然とても愛おしくなりました。その後訪れる命を脅かす病気に悩み、泣き、奮闘することになる自分をぎゅっと抱きしめてあげたくなりました。車の中でまっすぐ前を向きながらぽろぽろと涙がこぼれてきました。

もう癌になる前の自分には戻れません。私は新しい私になりました。
5年前と同じ晴れた空、でも全然違う晴れた空。
生きていることに感謝。そして私を支えてくれた人達に心から感謝。
病気になって、子宮を失って、たくさん得たもの。
健康への不安はあるけれど、今まで得た知識と一緒に、そしてこれからも学ぶ姿勢を忘れずに、今ここにいることに感謝しながら生きていきたいと思います。

今日も息子をぎゅーーっと抱きしめよう。