3.なにが大事なことかがよく分かった、だから「ありがとう」
「 こういう境遇に生まれた自分しかできない話ができることを幸せに思う 」
白井のり子
どんな言葉より、真実の言葉がある
白井のり子さんという方がいます。
「典子は、今」という映画で話題になった方です
当時19歳の彼女は
サリドマイド児で、生まれつき両手のない身障者
その彼女の日常を追った映画でした
サリドマイドは始め安全な睡眠剤として開発された薬です
ところが、妊娠初期の妊婦が服用すると
新生児に奇形性が生じる薬だった
その被害にあった1人が
白井さんでした
白井さんは映画化から2年後に結婚し
1男1女をもうけた
彼女は熊本市福祉課職員でしたが
今は学校などでの講演活動をしています
「文字はどうやって書くの?」
「歯を磨くのは?」
「靴下はどうはくの?」
等、映画の知らない子ども達は
興味しんしんで聞いてくる
それを、身振りを交えて説明するそうです
そして、
「こういう境遇に生まれた自分しかできない話ができることを幸せに思うんです」
という。
彼我の違いが分かり
実情が分かり
同情と好奇な目を向けられた彼女は
きっと苦しんだことでしょう
にも、かかわらず
「幸せに思う」と、笑う
生まれてきた事に
素直に感謝する白井さんは
人としての
究極の美しさを持っている
古今東西、さまざまな遺賢が
理不尽、逆境、苦痛、怒り等について
警句や箴言を発していますが
彼女の言葉に勝るものはない
生涯に3回、伝記を読む時期がある?
「生命ある限り、希望はあるものだ」
と、セルバンデスがいうように
白井さんの心持は私たちも学ばなくてはいけない
人は、学ぶ生き物です
素晴らし生き方をした人から学ぶ
書物から学ぶ
それが、自分たちの人生密度を
濃厚にしていく
豊かな精神が育まれ
教養が深まっていく
教養とは広辞苑では
「単なる学識、多識と異なり、一定の文化理想を体得し
それによって個人が身につけた創造的な理解力や知識」
と、なっていますが
そうですかね?
私から言わせれば難しく考える必要はない
他人を認め、他文化を認め
命を認める心
つまり、すべての他者を
包みこむ力と思いやる心を持ち
かつ自分の考えを
きちんと持っている事
それが教養だと
思っているのです
「 実践人の家 」
を、つくり
1992年に97才で亡くなるまで
生涯を教育に捧げた森信三さんは
伝記を読む時期が
人生で3回あると言っています
最初は、中高生の時代
自分がどうやって
生きていくべきかを考える思春期であり
世界的な偉人の伝記を読む
感銘を受けやすい
多感な年ごろです
ついで、40才前後
仕事についてほぼ20年
体力も落ち
これからどのように生きていくか
不安が出始めた頃ですね
この時期に読む伝記は
普通の人が不安や困難を
どう乗り越えたか書かれているものが
良いと思います
最後は60才前後
会社を辞め、老後に入るわけですが
どのように人生を終わらせるか
それを先達に学ぶためだそうです
なるほど、もっともですが
今はちょっと違う様な気がしますね
60才に読む伝記には
リタイア後、会社等に束縛されない
生き方をしている
体験例がいいかもしれない
3回と限らず
人生の節目節目に
偉人などの伝記を読むことは
自らを省みるため
そして、これからをどう生きるべきかの
指針を感じる事となる
航海に羅針盤が必要なように
人生にも羅針盤が必要でしょう
伝記の言葉は
生き方の羅針盤ですね
人生を変えた
感謝の名言
斎藤茂太