私には七歳と十歳離れた妹がいる。

私はその妹たちをみたり話したりするととてもイライラしてしまう。

ご飯の食べ方が汚かったら睨んで「汚い!」と怒鳴り散らしてしまうし、ピアノを教えてあげる時も、妹が音符が何の音かわからない時に「何でこんなのもわかんないの?はぁ。」と冷たく当たってしまう。

本当は妹たちのことが大好き。本当に大好き。

何でもしてあげたいし、たくさん笑ってほしい。

幸せになってほしい。辛い思いはしてほしくない。

なのに、なのに私は姉として相応しくないことしかしてない。

次女は母と二人目の父の間に産まれた一人目の子どもだった。

母から次女の妊娠を報告された時、私は一年生、母が再婚して一年も経っていない時だった。

私は妹がずっと欲しかった。

でも、その妊娠を報告された時、何故か悲しくなって泣いてしまった。

母が父と産まれてくる妹に取られる気がした。

それでも、次女が産まれた時はとても嬉しかった。

初めて嗅ぐ赤ちゃんの優しいかおり。ずっと抱っこしていたかった。たくさんお世話もして、写真も撮って、笑わせてあげたかった。

でもある時から私は、周りの姉の妹に対する態度と自分の妹に対する態度を比べるようになった。

周りの子の姉は、妹に対して冷たく、厳しく当たっていた。

姉とはそういうものなのか。

幼い私はそれが正しいことだと思い、妹に冷たく、厳しく当たるようにした。

そうすれば、お姉さんらしくなったと自分でも思えるし、周りからもそう評価されると思ったからだ。

でも、実際は違う。

当たり前だ。誰がどう考えてもそんなの姉として相応しくない。

もう遅かった。その時の私はそれが格好いいと思っていたから。

はぁ。なんで?

世界に妹という存在は二つとしてないのに、なんで大切にできなかったの。どうしてよ。

三女が産まれてからもその時の私にとって格好いい姉のレッテルは変わることなく、中学3年になり、妹がいよいよ小学校に入学した。

本当はね、毎日一緒に学校まで歩いていきたかったよ。心配だった。同じ学年の子と歩かずにうちの手をずっと繋いで歩いてたから。

ごめんね。一緒に歩いてあげることができなくて。

ごめんね。本当にごめんね。大好きだよ。

1番可愛い。誰よりも可愛い。大好き。

優しく育ってくれてありがとう。

こんなうちのことを大好きって言ってくれてありがとう。

こんなうちでも帰ってきたらおかえりって言ってくれてありがとう。

おかえりっていえなくてごめんね。

おかえり。今日もよく頑張ったね。今日は何したの?

何か楽しいことはあった?

一緒にゲームしよっか。何する?

クッキー、一緒に作ろっか。

宿題教えてあげるよ。一緒にお風呂入ろうね。

一緒に寝ようね。

してあげたいことたくさんあるんだよ。

一緒に行きたいところもまだたくさんあるよ。

大好きだよ。

産まれてきてくれてありがとう。