事務系と工学系
2011/09/28
「工学系の勉強をした人は、視野が狭い。事務系の勉強した人は大企業の社長でもやれる。あなたが作文の中で、工学部を優先にせよ。文学部・経済学部など事務系の学部はいらない。と言うのは理解できない」という批判を受けました。
H・G・ウェルスのSF小説「タイム・マシン」を想い出しました。
主人公の」青年は、タイム・マシンを作って、未来の世界に行きます。
そこは、天国のような世界で、美男美女の若者ばかりで優雅に遊んでいます。
ボタンを押すと食事はテーブルに出て来るし、衣服も出てきます。勉強もバタンを押すと円盤が回りながらしゃべります。潜在意識に知識を植えつけているようで、全員インテリ風な人ばかりです。
理想の世界だ、未来はこうなるのかと感激して自分も一緒に楽しく暮らしていますと、大きなサイレンの音がします。人々は立ち上がり、無表情な顔で歩きだし洞窟の中に入って行きます。サイレンが止みませと、地上に残った人は何もなかったように元通り遊び始めます。
洞窟に入って調べますと、洞窟内では、黒人・東洋人の世界で、地上に住む白人の食糧・衣服など必要なものを作り、ボタンによって供給しているのです。
白人は言わば家畜のように飼われている世界だったのです。育った白人は黒人の食料になったり、玩具になっているのです。地下は、工場で何でも作られ、モーターの騒音の響く世界に描かれています。
製造がなければ、未来も生きることが出来ない。製造業から手を引き、安楽な生活を送る白人は、製造を命とする東洋人・黒人の美味しいペットに成り下がるのです。ウェルズはそう予言しているように感じたことでした。
私達も、製造によって価値を生み出し、お金に換えて生活しています。商業やマスコミ・芸能は、製造業に寄生する業種であって、製造業が」なければ存在しない職業と思います。
先日、東京での講習会で、NECの社員の人が言いました。「製造とはコミニケーションだ」大企業では、製造とは下請けに指令すればそれで完了という末期的な解釈です。
寸法・品質などで、理想とするものが出来ず、あれを変え、これを変えして試行錯誤している現場の私たちの考える製造とは、観方が違います。
工学系でない人はこういう解釈をし、製造技術を金儲けの手段としか考えていないようで寂しくなります。事務系優先になれば、日本は滅びそうです。