本日の「題名のない音楽会」をご覧いただいた方、ありがとうございました!
ご覧になれなかった場合でも、地デジ放送をご覧になれれば、今週土曜日の18時半から、または1週間後の日曜日の夜11時からの再放送で見ることが出来ますのでお知らせしておきます。

さて、本日、大型CDショップのHMV渋谷店が閉店となりました。
渋谷の一等地にある大型CDショップの閉店とは、音楽家として寂しさを禁じえません。

35年以上音楽の仕事をしてくる中で音楽ソフトにまつわる事だけでも様々な変化を経験してきました。

レコードがCDになり、ジャケットデザインへのこだわりがそれまでに比べて薄れていく寂しさを感じ、CDショップの大型店の台頭と共に街の小さなCDショップがつぶれ、インターネット、PCの普及と共に、CDのネットにおける販売が拡大し、さらに音楽のダウンロードによる購入、違法コピーによりCDの売り上げの減少という現在の状況が生まれました。

様々な分野で便利さや値段の安さなどと引き換えに大切なものが失われていく現実に危機感を感じながら、どうにも出来ないというのが現状です。

今のまま行くとCDの販売数の減少傾向は止めるのが難しいでしょう。
そういう現実の中で、音楽家としては、新たなアイディアを考え出し、職業として成り立たせていかなけでばならないと感じています。

今後、書籍の世界にも同様の事が起きてくるでしょう。
作品がデジタル化される中では、コピー防止対策を万全にしない限り、残念ながら違法コピーは起こり、結果、職業として成り立ちにくくなり、その分野に突出した才能が集まりにくくなり、文化が衰退していく可能性があると感じます。

豊かな文化的環境で暮らす事を望むのならば、意識的にコピーする事を拒否する生き方を選ばなければならないと感じます。
理想論だと思いますが・・・。