5月29日のブログで川口政則さんという素晴らしいハートをお持ちの個人タクシーの運転手さんをご紹介しましたが、本日の読売新聞の日曜版の夢塾というコーナーにも御自分の音楽好きを生かして生き生きと仕事をされている個人タクシーの運転手さんの記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

長崎市の上戸雅彦さん(47)が法人タクシー勤務を経て、個人タクシーを開いたのは2004年4月。「これまでにないタクシーを」と構想を練っていた時、東京の<元祖ジャズタクシー>安西敏幸さん(65)のホームページを見つけたそうです。大好きな音楽をからめたいと思っていた上戸さんは、これによって視界が開け、2百数十万円かけてオーディオをグレードアップし、DVDもジャズに限らず色々なジャンルのものを300枚揃え、タバコ臭い、汚いというタクシーのイメージを覆そうと、マイナスイオン空気清浄機も備えたそうです。

「ミュージックタクシー」の名で営業を始め、はや3年。顧客名簿には、300人の名前が並ぶそうです。

この方の素晴らしさも、少しでもお客さんを喜ばせたいという想いが基本にあってご自分の好きな事をうまく生かしながら自分の仕事をより楽しくやりがいのある事に転化させている点です。
元祖ジャズタクシーの安西さんについても、その存在はニューヨークでも知られ、来日時にも指名が入ることもしばしばだそうです。

ジャズ好きの上司の退職記念や、誕生祝いなどに予約を入れる方も多いそうです。

今まで様々な乗客と心の交流を持たれたた安西さんですが、次のエピソードには心がジーンと来ました。

4年前、がんに侵されたジャズ好きの老紳士を、東京の病院から横浜の自宅へ送ってほしいと、家族から依頼された。点滴をつけ、ほおはこけていたが、目をらんらんと輝かせて音楽に聴き入っていた。「今までで最高のライブだったよ。」降り際にかけられた言葉が忘れられない。男性が亡くなったとのメールが入ったのは、3週間後だった。

そして記事の最後は、安西さんの次の言葉で締めくくられていました。
「プロポーズのために利用してくれたカップルもいたし、人生の大事な場面をいくつも見届けてきた。そんな体験ができるのも、この仕事の醍醐味だね。」