昨晩は、江原啓之さんのバリトン・リサイタルにご招待され、伺いました。
場所は、紀尾井ホール。
3月11日に起きた東日本大震災により多くの方々が犠牲になられたことを受け、江原さんは、このような時こそ音楽を通しての祈りが必要だと考えられ、当初の予定を変更して今回のプログラムに『いのちの詩』という演目を加えました。
この作品は、3年ほど前に江原さんが書いた詩に私が曲を書き、オーケストラ・アンサンブル金沢と共に初演し、CDブックとしても出版されました。
人生を「喜怒哀楽」という視点から語り、祈りを込めて歌い上げていく感動的な作品です。
今回は、ピアノ伴奏のみに編曲したバージョンで演奏され、語りも、従来は、江原さん自身が行っていましたが、今回は、女優の古村比呂さんが朗読部分を担当されました。
古村さんに朗読を担当していただいたことで、江原さんは、歌うことにより集中出来、深い想いのこもった魂からの言霊をホール中に朗々と響かせ、聴衆を魅了しました。
ピアノは、オーケストラに負けないだけの魅力的なものにしたいとの私の想いがこもっているので、かなり難易度の高い譜面となっていますが、ピアニストの吉田由美さんは、それを実に美しく表現力豊に弾いて下さいました。
自分の作品でもありながら、聞いていて、魂が浄化され幸福感を伴った実に心地よい大きな感動を味わいました。
とても嬉しく、有難い事です。
今後も、江原さんに歌い続けていただきたい作品です。