人でなしの恋
小川洋子さん、川上弘美さん、糸山秋子さん。 (※糸山さんのいとの漢字は糸が二つ並んだいと)
このところ、この3人の女性作家の作品ばかり読んでいる。
ここ1、2年の事である。
これまで桐野夏生さんを除いては、ほとんど女性作家の作品を読むことはなかった。
知人の女性にその話をしたところ、「年を取ったせいじゃないの」 と言われた。
そうかもしれないと思った。
そんなに沢山の作品を読んでいるわけではないが、
この3人の女性作家には、どこか共通点があるように思う。
作品の中に時折、この世でないものの気配を感じる。
あるいは姿を現わす。
川上さんにいたっては、全編にこの世でないものが登場したりする。
そんな世界が好きなのだ 。
一番好きな作家は江戸川乱歩である。
高校生の時に「陰獣」と出会い、不幸にも異形の世界を覗き見してしまったのだ。
未だにその白昼夢の幻影から逃れられないでいる・・・・・。
先日、若松孝二監督の 「キャタピラー」 を観た。
まさしく、乱歩の 「芋虫」 である。
わくわくどきどきで観に出掛けたのだが・・・・・。
「キャタピラー」 は戦争が前面に押し出された作品だった。
若松監督の前作、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」 を考えれば分かりそうなものである。
乱歩のおどろおどろしい異形の愛を期待したこちらが悪いのだ。
夢想・・・。
☆11月4日、白昼に出会ったファンタジー☆
少年は虹を渡る
青騎士ブログを始める
これまでの人生において、日記さえ書いたことの無い自分に、果たして続けられるのか些か心配ではある。
が、何事も始めなければ何も見つからないし、何も変わらないだろうから、とにかくブログを始めよう。
ヨロシク。(*^.^*)
・・・とは言ったものの、何を書いたらいいのか、書きたい事が本当に自分にはあるのか・・・迷う・・・・・。
しかし、まあとりあえず毎日の生活の中で自分が思った事、感じた事を、好きな映画や小説の話を交えながら、
つれづれなるままに書いていこうと思う。
・・・・・さてと、足元がおぼつかないまま、あても果てしもない冒険の旅に出ようか ・・・・・
今年の三月の終わり、引越しをした。
長年住みなれた地域を離れるのはいささか寂しかった。
すべては自分の不徳のいたすところである。
ファンタジーがやって来たのは春の終わりだった。
その気配、その存在感はもっと前から感じていたのだが、・・・・・
これは今年の初めに読んだ、糸山秋子さんの 『海の仙人』 の書き出しである。
(※糸山さんのいとの漢字は糸が二つ並んだいと)
主人公の男が浜辺でファンタジーと出会うところから、物語は始まる。
男は宝くじが当たり会社を辞め、敦賀の海の近くの街で一人暮らしをしている。
孤独な男と居候のファンタジー。
そして、やはり孤独を抱えた登場人物たち・・・。
かけがえのない大切なものを失いながらも、他人に甘えることなく、
淡々と生きる男の姿が清くて悲しい・・・・・。
果たしてこの春、自分にはファンタジーは訪れたんだろうか?・・・・・。
では、また。
☆ 11月2日、駅に向う途中に見つけたファンタジー ☆