~拓海のBar(夜)~

 

 

カウンターで突っ伏している玲菜。

玲菜のスマホが鳴る。

画面を見もせず、電源を切る玲菜。

 

拓海「帰らなくていいの?」

玲菜「帰るとこなんてないです」

拓海「またそんなこと言って」

 

 

玲菜、起き上がるとお酒を一気に飲み干す。

 

拓海「不器用かもしれないけど、旦那さんなりに、玲菜ちゃんに気を遣ってるんだと思うよ」

玲菜「気を遣うって何ですか?だとしてもそこじゃないっていうか……。あーあ、なんで結婚式前にこんな思いしなくちゃいけないんだろ」」

拓海「……」

 

 

玲菜「まだ結婚もしてないんですよ。なのに、仕事と結婚式の準備でパツパツで、本当時間なくて。彼は何もやってくれないし、私だって仕事してるのに……」

拓海「……」

玲菜「なんか私、疲れちゃいました」

 

拓海、バーエプロンを取ると店仕舞いをはじめる。

 

玲菜「? どうしたんですか?」

 

拓海、コートを羽織ると、玲菜の腕を掴み、出入り口へ。

 

玲菜「え、何?」

拓海「行くよ」

玲菜「はっ!?」

 

拓海に手を引かれ、店を出て行く玲菜。

 

 

 

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アベマオリジナルドラマ「私が獣になった夜」を小説仕立てで掲載:宝石:

 

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