女優陣の意外に淡白な表情で豊かな感情を感じさせる演技がとても良い。ボブの彼女のエル・ファニング、ジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロ、ピートの日本人妻役のエリコ・ハツネなどみんな魅力的だ。エル・ファニングは確か宇宙戦争でトム・クルーズの娘役だったダコタ・ファニングの妹。もうこんなに大きくなったのかと思う。
さて、肝心のボブ・ディランだが、歌も演技も素晴らしい。天才の孤独を強く感じる。映画のとおり大衆に媚びることはない。アートにおいて大衆は引っ張る存在なのではなく、引っ張られるが故に大衆なのだ。アーチストに往年のヒット曲とか求めちゃいけないね。日本の歌番組はそればかりだが、それは安易に繋がる。