日本語オタクのわたちのための本かと思いました

三浦しをんsanの「舟を編む」
読み始めたら止まらない系の小説でしたよ

舞台はとある出版社の辞書編集部。
「大渡海」というタイトルの新しい国語辞典を作るために
仕事に没頭する編集者や国語学者の物語です。
定年間近の編集者・荒木と国語学者の松本先生は
荒木が定年を迎えた後を心配していました。
何せ辞書編集部は荒木の他には契約社員の佐々木さんと
辞書編集に向いているとはとても思えない西岡。
荒木が嘱託として仕事は続けるにしても
このままだと「大渡海」の刊行は危うい

そんなときに西岡が荒木に紹介したのは院卒でちょっと変わり者のまじめ。
この「まじめ」は性格も真面目ですが
何と名字が「馬締(まじめ)」

彼の日本語のセンスが素晴らしく辞書編集向きで
読んでいても「なるほどなぁ」と思ってしまいます。
ただ知識やセンスは素晴らしいのですが…
日本語を使うことは苦手らしく
コミュニケーションがなかなかとりにくいようです。
そんなトコロも微笑ましく見えてしまうのは
三浦さんの彼に対する愛情の賜物でしょう

そんな人達が辞書を金喰い虫だという会社と闘い
監修に関わってくれる高名な先生や
辞書独特の質感を持つ紙を開発してくれる製紙会社や
特殊な紙に印刷するのに最適な方法を試行錯誤してくれる印刷会社
装丁を担当してくれるデザイナーと
協力しながら「広辞苑」並みの語数を収録する国語辞典を作り上げる話です。
日本語と真剣に向き合い、辞書編纂に熱中する馬締はどこか私の父と重なります。
父が向き合っていたのは日本語ではなくて工学の分野ですが
学者や研究者的な向き合い方はちょっと特殊でオタク的ですが
そこまで没頭できるものがある人って素敵だと思います


私は国語辞典は結構好きなのですが
(三省堂の「新明解国語辞典」なんかは普通に読んでも飽きませんよ
)どうやって作られるのかは全く知らなかったので
辞書編集部の仕事はどれも興味深いものでした。
日本語が好き…もしくは日本語の良さがよく分からない方に是非読んでいただきたい本でした




