妊娠高血圧症候群。
分娩後に泣いてしまったことを書く。

その日婦人科の退院検査も済み、お部屋移動前。
息子は新生児室でお世話されていた。
毎朝決まった時間に新生児集めて、小児科の先生がなんかしている。


昼前に部屋の移動が構えていたので、荷物をまとめて待っている間に、婦人科のDr.が部屋に訪ねてきての対話後、私は泣いてしまった。


婦人科Dr.『こんな危険な状態でとても退院させられませんから、ちゃんと検査など受けて頂きます』

私『どんな検査なんでしょうか』

婦人科で『麻酔を使うこともあります』

私『!ま、麻酔って、それは痛むのですか?どういった検査で麻酔をするのですか?』

婦人科Dr.『痛む方もいます。腎臓の組織を取るなどです。あとで腎臓内科の先生がきますからね』

頭がぐちゃぐちゃです。
麻酔などしてそんな、痛みが伴うから麻酔があるわけで。
母乳育児はそのあいだどうなるの?
痛いってどういうこと。
計画分娩で、子宮口広げる処置だって、陣痛だって、私はすごく痛かった。
今だって、腰がガタガタで中腰の姿勢がかなりつらいし、縫ったところだってまだ痛いんだよ。
これ以上もぅ痛いのなんて耐えられないよ。

やだよ怖いよ・・・助けて。

やだ・・・怖い。怖い。

でもしっかりしなくちゃ。Dr.は正しいんだろう。私はすごく危険なんだ。
怖いよぅ・・・怖い・・・・・・怖い・・・。

三十路半ばの女が、涙があふれて止まりませんでした。情けなくも恐怖に囚われて。

そこらへんに出したままだったタオルで顔をおおって泣きました。
割りと派手に泣いていたかも。

そこへ若い看護士さんが元気に入室。
『黒猫さーん、準備できましたよーっ。ぅわっ!!!どうしたの?!』

事情を話すと
『信じられない、どの先生?大丈夫。腎臓内科の先生はとても優しいからね』
と怒ってくれました。
(産後の女のメンタルなめんじゃねーよ!脅かすこと産婦にいうんじゃねえ!という方向に)


産婦の気持ちに寄り添ってくれるナースでした。
思い出すと涙が出ます。

腎臓内科の先生は本当に紳士でした。
蓄尿続けていきながら、腎臓の組織を取るかどうかは、追って決めていこう。
今すぐどうこうではないから、安心して。
それに痛みは麻酔で感じないし、10歳の子供でもやるようなものなんだよ。

無理強いはしません。
でもとても危険なことはわかってね。

調べてみたら腎臓の組織を取るというのは、案外さくっと済むが、その後はまったく身動き出来なくなるそうです。
腎臓に針を背中側から指します。
ちょっとしたことで腎臓から出血があるため、絶対安静。
トイレも車椅子でナース付き。

なんであんなに不安だったのか。
今となっては分からない。

でもあの時は絶望。
まっ暗闇でした。
結果的に組織は取らず、退院しました。