正門通り
グランド坂
夏目坂
早稲田通り
きっと早稲田界隈のあらゆるなじみのある通りを、B4サイズの合格手続き書類在中の封筒を二つ抱えて僕は、無意識に歩き続けたのだろう。その数時間の記憶はまったく無い。
よほど嬉しかったのだろう。
それほどうれしい経験は後にも先にも無い。
この世の中に生まれて、嬉しかったことは、早稲田とおっぱいしかない。
まあ、早稲田とおっぱいで十分なのが人生だと自分では思っている。
数時間後、西早稲田のアパートに戻った僕は、電気ごたつの上に、B4の早稲田大学合格手続き書類を二つ置いて、受験戦争という呪縛から解き放たれた想いからなのか、長い眠りに落ちた。
念願の早稲田大学合格を誰に知らせるわけでもなく、深い深い眠りについた。
夢の中で会話が聞こえた。
吉野
「なあ、田中、どこの大学に行けば女の子にもてるのかな?」
田中
「そうねえ、早稲田か慶応かな?」
