先週末は学内研究発表会。


ボクは『破壊的イノベーション理論の発展的批判』と言うタイトルで、ここ1年のゼミでの発表の総まとめをした。


趣旨としては、クリステンセンの有名な「イノベーションのジレンマ」のコア理論である、破壊的イノベーションは、そもそもローエンド型製品によるハイエンド製品の破壊にあったわけで、するとHDDみたいに技術スペックだけで説明がつくものには適用可能な理論なはずだが、それがいつのまにやら理論の適用範囲が広がってしまっていて、ちょっと曖昧なんじゃないかって指摘をした。

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特に2003年からクリステンセンが「イノベーションへの解」で持ち出した新市場型破壊ってのが、かなり広範囲なことを指してしまっている。




この辺をこれから2週間かけて紀要論文にして投稿します。





6月12日は大学で研究発表会。昨年に続いて、こちらにエントリーした。

今日から当分は、この先の紀要論文執筆を視野に入れながら、ここでの発表を目標に仕上げて行くことになる。


修士時代を入れると2年を使って精査して来たクリステンセン理論の総まとめをやる。


博士課程でのさらに踏み込んだ研究テーマの模索をしているが、こちらはさっぱり進まない。


もう一度、これまでの振り返りをしっかりやることで、新しい気づきを得られることを期待。





本日は仕事の会食。盛り上がって2次会へと言う流れになったが、私一人だけ「仕事がありますので」と言って一足先に家に帰って作業をしている。

「15分ぐらい、顔出してくださいよ」

と言う囁きにも、「すみません」と言って退路を断った。



三井物産(MBK)出身で著名な寺島実郎 さんがいるが、父がMBKに勤めていた頃、酒席をご一緒しても、寺島さんは必ず1次会だけしか出ず、21時には帰って勉強をされていたと、父が教えてくれた。


その時、ガツンと頭な殴られた気分がした。研究の道を志しながら、自分は負けているじゃないか。


ただ、意志が弱いボクはついつい2次会、場合によっては3次会と流され続けて来た・・・。


そりゃ、盛り上がって2次会、3次会となるのは楽しい。


しかし、時間と活用と言う意味では、夜の時間にもう一活動ぐらいできるのを無駄にして、さらに睡眠不足やら二日酔いになる可能性を高めるのだから、すごく勿体無いことの気がする。



別に、「酒席は一切しません」と付き合いが悪いわけではないのだ。ちゃんと1次会には行くのだし、2次会に流れるぐらい盛り上がるのだから。


本当にさらに懇親を深めるべく2次会に行く必要性があるなら、

「では、来週ぐらいにもう一回、酒席をしましょう」

とすれば良いはずだ。2次会よりも、こちらの方がさらに懇親は深まるだろう。

だが、さすがにそこまでならない。ならば、2次会なんて、その程度のものなのだろう。




もちろん、金輪際、2次会に行かないと断言するわけではない。プライベートで良い酒をもう1,2杯と言うのは、当然、あるだろう。だが、これはプライベートの時間として、自分がそうしたいからこそ、そうするのだ。



流れされて何となく2次会なんて言うのは、はっきりと行かないスタンスを、今後、貫く決心をした。



「彼は、絶対、2次会は来ないんだ」

これぐらい言われた方が、むしろキャラが立って良い。
今日はドクターゼミでの発表。1.5~2ヶ月に一回は発表することを心がけている。

今回はナント?、「デザイン」を扱った。

まったくの未知の分野かつ準備があまりできなくて、かなり散漫で荒削りな内容。


残念ながら、今後の方向性はあまり見出せなかったが、もうちょっとこの分野で踏ん張りたいところだ。先行研究もけっこうありそうだし。



ただ、それより学内発表と紀要論文書いて、ワーキングペーパー執筆と言うのが当面の作業か。


早め早めでドンドン、やって行こう。
今日は聴講させて頂いている、一橋大学の菅野先生実践全社戦略の授業の2回目。


2回目の本日は、実際に菅野先生がコンサルティングされた実在のケース(もちろん業界や数値は変えてある)でのディスカッション。

全社戦略は理屈は少しは知っているが、あまり馴染みが無いので、非常に新鮮。


複数事業をやりながら、主力事業の業績が下がったり、ある事業は将来性はあるが赤字だったり、またある事業は市場は伸びているが業績が乱高下したりして、トータルで赤字になっている企業をどうするのかと言うのがお題。


単独事業なら事業戦略として、どう競合に勝つべく差別化をするかを考え抜くが、そう言った独立した事業が集積された場合は、何を考えれば良いのだろうか?


グループワークを経て、数チームの発表があったが、そこでは親会社の経営者役として菅野先生の突っ込みが入る。

ここでは、意外?にも、「会長とどう握るか」が重要だと言う。

要するに、自分は建て直しのために、こう言うコミットメントをするから、親会社の経営は次のことをやって欲しいと、それこそ真剣勝負で時には、親会社の経営を追い込むぐらいやらないとダメだと。


さすが、”実践”である。


さらに、発表後の菅野先生の解説では、

①GOAL
②枠組み
③数値

の重要性が説明された。

GOAL設定は当然であり、1年後、3年後、5年後にこのようなことを達成して、自分は再建すると言うのを示す必要がある(これは、親会社の経営から言われることもある)。

ではそれぞれクセのある事業をどんな枠組みで見るか?

これが全社戦略では重要で、異なる複数事業に対して統一の基準を当てはめることが重要だと言う。

それぞれの事業部長は、自分たちのモノサシで事業を語るが、それでは全社は事業の取捨選択を決めれないわけだ。


最後に数値で、しっかり規模感やら妥当性があることを示せなくてはならない。



ふと思ったのは、多角化していて別々の事業をやっているところは単純に全社戦略の考え方で良いだろうが、同業をプロダクトごととかで事業部分けしている場合って、全社戦略か競争戦略か、どっちを重視すべきだろう?

例えば、TOYOTAって、ファイナンスや住宅事業を除けば、大枠で自動車事業やっているわけで、でもレクサスとプリウスは別事業とも言える。


事業の定義は、エーベルが1980年代にやってて、確か、顧客(WHO)、顧客機能・価値(WHAT)、技術(HOW)みたいな感じだったと思うが。


戦略とは、突き詰めれば事業ドメインの設定が最も難易度が高いと言われるが、確かに事業単位、専門的な言い方をすればSBU(Strategic Business Unit)の設計次第で、全社戦略マターにも事業戦略マターにもなりうるんじゃないかって気がして来た。



しばらく考えて、今度、菅野先生に聞いてみよう。



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