営みの前はシャワーを浴びたい。

でも、営みのあとは浴びたくない。

彼の余韻を纏っていたいから。



私はSEXのときにあまり汗をかかないけれど、

彼はフィニッシュに向けて滝汗をかく。

それはさらさらとしていて、

やや塩味はあるものの

においはない、水分である。

汗臭くなるのは放置して雑菌が繁殖するからであり、

汗自体は汚いものではないのだ。



身体と身体を密着させて、

彼の汗でより一体感が高まって、

自然なローションのようになるのが好きだ。



だから、営みが終わった後で

それを流してしまうのが惜しいのだ。



もちろん彼は自身から大量に出ているので

シャワーを浴びてスッキリさせている。

が、私はSEXの余韻に浸りながら

お布団にくるまって、

時にはそのまま陰部をこっそり弄って

自慰を楽しむことさえある。

肌表面は彼の汗でひんやりしているのに、

身体の内部はまだ火照っているギャップが面白い。



中出しされた後もそのままで、

数時間後に中から彼のものが

とろっと出るのがまた愉しい。

彼の忘れ物のようであり、

二人の秘密の証のようでもある。

ピルを飲んでいてよかったと思う瞬間だ。



エロ動画ではありがちなシーンだが、

一般的には避妊が当たり前なので、

何度かの意図的な子作りの時にしか

味わえない特別な感覚なのではないだろうか。

女性主体で行える避妊のメリットを

身をもって体験している。



こんなふうに、

彼との逢瀬の余韻を纏っている女が

何ごともなかったような顔をして

あちらこちらで

歩いているのかもしれない。