はじめて太田和さんにお会いしたときは、たぶんバイトを始めて二日目だった。
お互いに自己紹介を済ませてから、突然太田和さんからのひとこと、
「RYOさんって、日本語はもう完璧ですか。それとも大体判ってますか。」と。
かんぺきってどういうこと?と思いながら、片言で「大体判ってます」と言ってしまった。
われながらクレージー。来日して二ヶ月ほどしか経っていないのに、こういう戯言を抜かしたとは。
でも、二択だったのでいたし方はありませぬ。
拙者も、わざとではなかった。
そして、「もうそれぐらい話せたら、もう完璧ですよ」と、笑顔の太田和さん。
そのとき、ああ、いい人だと思った。
だって素敵な笑顔だった。
そんな太田和さんは、十一月いっぱいにお辞めになった。
いま、リーダーの方が復帰なさらない限り、バイトの中に私しか女性はいない。
正直、つまらなかった。
毎日のお昼はいつも一人ぼっちで、話相手もいないし、何かお聞きしたいことがあっても、聞ける方はいない。
「また、いつか、どこかで」と、太田和さんはおっしゃったのだが、自分がチキンのため、ケイタイの番号もメールのアドレスも聞いてなかった。
いろいろなことを教えていただいて、プレゼントまでもらってしまって、何もお返しできないまま。
一期一会。
この言葉を痛感した。
ごめんなさい。そしてありがどうございました。
今日も頑張って、日本で生きています。
また、いつか、どこかで。