🍖 BBQとは宗教である(たぶん)

アラバマの田舎町に住んで早数年。季節ごとのイベントといえば、そう、BBQである。

いや、「イベント」と呼ぶには甘すぎる。BBQとはもはやライフスタイルであり、宗教であり、家族形態である。

「週末、何してた?」と聞くと、99%の確率で「BBQ」と返ってくる。しかも目がマジだ。パッションがガチ。


🔥 炭をおこす音で朝が始まる

こちらの田舎では、朝5時から「ゴォォォ…」という音が聞こえる。最初は鹿か熊がうなってるのかと思ったが、ちがう、炭火を起こす音だ。

「あの炭、昨日から寝かせてんねん」

そう得意げに語るのは、隣のハロルドおじいちゃん(72)。火の起こし方が「高級和牛の仕込み」みたいになってる。


🥩 BBQにおける“派閥戦争”が激しすぎる件

アラバマBBQ界には、複数の「派閥」が存在する。なかでも有名なのは以下の3大勢力:

  • パパの酢系ソース派(ヴィネガー至上主義)

  • ママのトマト系ソース派(ケチャップで戦う)

  • 変わり者のホワイトソース派(マヨベースで真っ白)

BBQ大会では、このソース対決が血で血を洗う闘いを生む。実際、近所のBBQコンテストでは「トマト派の叔父とヴィネガー派の叔母が絶縁」した。BBQのせいで家族崩壊するの、アラバマあるあるです。


🏕 BBQグリル=男の城。いや、聖域。

アラバマ男子の誇り、それがBBQグリル

「これは俺の祖父が使ってたグリルや…まだ現役やで」

というセリフは、ほぼ100%の男たちが言う。しかも皆、ドヤ顔。

家族の中で最も綺麗に手入れされているのが「風呂」でも「車」でもなく、グリルである。


🍗 BBQは“食う”だけじゃない、“語る”もの

BBQを焼く男たちは、焼きながら人生哲学を語る。

「肉の火入れは、人間関係に似てる」

「急ぐと焦げる。じっくり待つと、味が染みるんや」

それ聞いて「なるほど」ってなったけど、5分後にその人、肉焦がしてた。


💍 BBQを通じて結婚したカップルがいた話

本当にあった話。

地元のBBQ大会で、あまりに上手にリブを焼いた青年に、審査員だった女性が「結婚して」とプロポーズ。そのままゴールイン

式のケータリングは当然、自分たちのBBQ。参列者全員が「人生で一番うまい披露宴だった」と涙ぐんだ。


🐮 地元ルール:肉の量は“人口比”ではなく“牛の数”で決める

「今日は10人集まるから、牛1頭分くらい焼くか!」

この計算式、正気じゃない。でも、アラバマでは普通です。一人あたり肉2kgは基本。

余っても冷凍庫にいれない。なぜなら翌朝の朝食がBBQの残りだから。


🏆 BBQ大会:ただの焼肉ではない、地元の“闘技場”である

アラバマのBBQ大会は、すごい。

  • チーム名が「炭火戦士団」とか「肉神団」。

  • ユニフォームあり(たいてい迷彩かタンクトップ)。

  • グリルがキャンピングカー並みにデカい。

参加費無料でも、優勝賞品がトラクターというとんでもスケール。優勝者の発表時には「肉の神」が舞い降りるような神聖な雰囲気になる。


🌄 炭と肉の香りは、平和の香り

夜になると、遠くからふわっと流れてくる炭火と肉の香り。

これがアラバマの“平和の証”だ。犬も猫も鹿もその香りに誘われて庭に現れる。うちの庭ではタヌキ(多分)がピットマスターに弟子入りしようとしていた。


📝 まとめ:アラバマでBBQを笑う者は、BBQに泣く

BBQはアラバマ州民にとって、ただの食事じゃない。

  • 家族の絆

  • 世代の伝統

  • 哲学

  • 恋愛

  • 戦争(たまに)

あらゆる感情が、あの網の上で燻されているのだ。

だからこそ、アラバマに来たらまずこう言ってほしい。

「BBQ、なんか手伝うことある?」

この一言があれば、あなたもこの肉汁にまみれた愛すべきコミュニティに溶け込めるはず。