今週の日経平均株価は、休日を挟んだ幕明けであったが、落ちつぃた展開で41000円台を維持していたが、米国ハイテク株急落の洗礼を受け状況が一変、一時40000円台を割り込み40063円で週を終えた。

7月に入り42400円台前まで持ち上げられたかと思う間もなく、一挙に39800円台まで落とされ目が回ってしまっている。

来週は、上値が重くなったことから39000円~40100円の展開が見込まれる。

 

株価の下値は乏しい

米国ハイテク株急落の直撃を受けた東京市場であるが、前週末に政府・日銀が162円に接近していたドル円相場に再度介入し155円台まで押し下げていた為、輸出産業にとっても上値が重くなって来ていたのである。

此処からは、企業の業績発表に注目し、個別銘柄重視の相場展開となるものと思われる。

日本経済全体は冴えない動きが続いているが、企業業績は便乗値上げの効果もあり好調を持続していることから下値は乏しいと考えられる。

 

夏休みに入ったってしまった政治

米国では、11月の大統領選挙に向けて、共和・民市両党とも夫々の主張を繰り返し述べているが、結果は投票を待つしか無い。

一方、我が国は国会が閉じられていることと共に、自民党の総裁選挙と立憲民主党の代表選挙が9月に行われることとから夏休み状態となってしまっている。

GDPが三期連続で低下しているという経済状態に目を向けず、党首選挙という材料でマスコミを独占し、国民の目を塞ぐ行為は許されるものでは無い。

税収が史上最高額を更新しているにも拘らず、財政赤字が縮小しない事実を岸田首相は如何に説明するのであろうか?
 

振り返って見れば7月相場は、39850円レベルから休むことなく上がり続け42400円台へ急騰したが、週末に1000円幅の急落となり41190円で週を終えた。

週末のチャートを見ると、アイランドリバースを形成しており警鐘を鳴らしているが、物色意欲の衰えは感じられない。

従って、来週は40800円~42100円の乱高下が予想される。

 

米国大統領選挙のインパクト

米国では、消費者物価指数が鎮静化を示す結果となったことから9月の利下げが確実となったとの見方が支配的となっているが、長期金利は依然として高止まりしており一筋縄では行かないと考えておくべきであろう。

寧ろ、米国大統領選挙の結果が経済に与えるインパクトが大きく、バイデン大統領が大統領選挙に踏み止まるかどうかに注目したい。

何れにしても、トランプ元大統領が再選するようなこととなれば、経済戦争が激化することは間違いの無いところであり、市場は混乱するのであろう。

 

新たな円安防止策は?

162円に急接近していたドル円相場が、米国の消費者物価指数の公表に歩調を合わせた政府・日銀の為替加入により157円台へ急騰している。

政府・日銀は介入について認めていないが、上手いタイミングの介入であったものと思われる。

我が国は、エネルギーの輸入等ドル需要が旺盛なところに、NISAの拡充等海外投資を助長する制度を導入したことから、円安の流れに拍車が懸かっている状態である。

我が国企業が海外に蓄積している剰余金の還流を促進する手立てを講じるとか、新たな円安防止策を講じなければこの流れを止めることは出来ないであろう。

今週の日経平均株価は、小幅高で始まり静かな動きを見せていたが、一気に買い気が盛り上がり前週末比1000円以上の値上がりとなる40912円で週を終えた。

この結果、東証の時価総額が1000兆円を上回ることとなり、投資意欲を掻き立てる結果となっている。

来週も物色意欲旺盛の展開が見込まれることから40300円~41300円の値動きが見込まれる。

 

数の大きさに騙されるな!

従来は国の借金が1200兆円になったと驚かされ続けて来ていたが、今回は時価総額が1000兆円に達したと喜ぶべき事柄なのであろう。しかし実感の沸かない金額で庶民には縁の無いことなのであろう。

日経平均株価もTOPIXもバブル後の高値を更新して来ていることから経済も大きく成長していると思いきや、世界経済の中では地位を下げているのが実態のようである。

円独歩安の足音に恐れ戦く岸田政権は、従来型の加工貿易の再来を標榜しているようであるが、数を追うより先端技術の育成に力を注ぐべきである。

 

我が国の政権交代の道程は遠い

英国では14年振りに政権交代が実現し、新たな道を模索する動きが高まりそうであるが、一筋縄では行かないとの見方が大勢を占めているようである。

一方、我が国では、評判が地に落ちてしまった岸田政権と何の行動も起こせない自民党に対する国民の不満は溜まっているが、政権交代の足音は聞こえて来ないようである。

我が国の野党がしっかりしなければ、日本経済の復活も実現しないと心得るべきなのであろう。