「笑う手招き猫の部屋」

「笑う手招き猫の部屋」

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ニックネームを「笑う招き猫」⇒「笑う手招き猫」に変更しました。

小説・短編小説・ミニ小説・エッセイの形を借りて自分の思いついた事を書いています。

短編小説・ミニ小説・エッセイはブログネタからの閃で下書き無しの即興で創作しています。

見苦しい点も有りますが笑って許してください。 

(2012年5月4日より短編小説・ミニ小説は即興と下書きからの両方に変更しました。)

作品への批評・感想・改善点・ご要望などが御座いましたらコメント欄に自由にご記入願います。

ただし他の方のコメントへの批判や意見等及び誹謗中傷等は固くお断り致します。

プロフィールに自分の気に入っている作品名を書いています。

。          

Amebaでブログを始めよう!
お久しぶりです!

今日はちょっとショックな出来事が。

アメーバスタッフから突然のメッセージが来ました!

要略すると、

「あなたのアカウントから不正ログインがありました。パスワードを変更してください」


げげ!!!

以前、ゲーム用のアカウントが不正ログインされたので、同じパスワードを使っていたゲームア

カウントのパスワードはすべて変更したのですが、アメーバはゲームとは無関係だからいいかと

思ったのでパスワードはそのままでした。

しかも、アメーバのログインIDは、簡単なゲームアカウントとのIDに比べて全く違うものに

していたのでこのアカウントとこのパスワードは結びつかないだろうと思っていたのですが。

ゲームアカウントの不正ログインがあってからもう一年近くも経っていたので、すかっり忘れた

頃にとつぜんのお知らせ。

どうせなら、もっといい知らせが欲しかった(´;ω;`)

皆様も気をつけてくださいね。

PS

もちろんパスワードはすぐに変更しましたよ(〃艸〃)ムフッ
みなさん、おはようございます!
天気予報では、今日、明日と5月の気温になるとのことです。
暖かいのは助かりますが、急激な気温の変化に体がついていけず風邪をひきやすくなります。くれぐれもインフルエンザ等にはご注意ください。




              「太陽のしずく(第二話)」


「濡れた服はどうするの?」
 ジーパンはもちろんのことTシャツの下半分までが濡れていた。
「大丈夫だよ。この天気だ。すぐに乾くさ」
 そう言いながら気にも留めないそぶりで歩き始めた。
「お気に入りの場所があるんだ」
 得意そうな笑みを浮かべ、あのひとは前方を指さした。そこには黒い岩場が見えた。
 先を行くあのひとの後ろにつづく。ゆっくりとした歩調はわたしの歩くスピードと同じだった。

 岩場は白い砂浜の中から海に突出するようなかたちだった。上から見ればちょうど海の中にある桟橋のように見えるはずだ。思ったより平坦だったので、わたしのサンダルでもなんなく歩けた。岩に打ち寄せる波が静かな音をたてる。水は透き通っていて海の中が下の方まではっきりと見えた。名前も知らない海藻がゆっくりと、舞うように揺れていた。
「あぶないよ」の声で振り向く。
「波打ち際の岩は、すべりやすいから気を付けて」わたしは小さくうなづいた。そして、あのひとの差し出す手を自然に掴んでいた。
「もうすこし先に腰かけれる場所があるんだ」あのひとがわたしの手を引く。すこしだけ込められたチカラが、なんとなく心地よかった。
 まるで小さな岬みたいになったその岩場の先端に、丸い岩があった。膝よりちょっと高いくらいの大きさは、わたしが腰かけるのにちょうどいい高さだった。その岩に並んで座った。
「見てごらん」あのひとが前方を指さす。
 そこに見えたのは、見渡す限りの海。水平線まで見渡せる海を、今までわたしは見たことがなかった。
「きれい」自然に言葉がでた。
「あの雲を見てごらん」
 あのひとの示すほうを見た。白い雲の端の方がオレンジ色になっていた。
「今は薄いオレンジのあの雲が、濃いオレンジ色に染まるころに、太陽が大きな涙をこぼすんだ」
「涙を?」
「そうさ。そのときの景色をぜひ君に見せたかった。本当にきれいなんだ」
 わたしはあのひとの横顔を見た。誇らしげで自信に満ちた顔だった。間近でみる顔はいつもより輝いてみえた。夕陽のせいか、あのひとの顔が少しだけ赤くなっていた。

 太陽がゆっくりと海に近づいていく。空に浮かぶ雲と海の水が徐々にグラデーションしていく。薄いオレンジから濃いオレンジで変化していった。
 ときおり吹く強い風に、わたしの長い髪が揺れる。潮の香りが心を落ち着かせた。二人ともなにも話さなかった。ただ、沈みゆく太陽をじっと見ていた。この景色に相応しい言葉がみつからなかった。
 とつぜん、あの人が沈黙を破った。
「ここからだよ。ここからが早いんだ」
「えっ!」意味がわからずにあのひとの顔を見た。
「太陽がものすごい速さで海に近づいていくから」
 わたしは太陽を見た。すでにオレンジ色は消え失せ、赤くなっていた。ううん、違う。それは普通の赤い色じゃなかった。燃えるような色。そう『紅蓮』を思わせる紅い色をしていた。
 そして、その時がきた。太陽が急激に落ちはじめたのだ。まるで浮力を失った箱舟のようだった。明らかにいままでと違う速度で海に近づいていく。それは、自分の重みに耐えかねて落ちていくようにも思えた。
「もうすこししたら太陽が融けだすよ」
「えっ。どういうこと」わたしは怪訝な顔をした。
「見ていればわかるよ」
『教えてくれればいいのに』
 わたしはちょっと不満だったけどあのひとの言うとおりに夕陽をみていた。そして、数分後にあのひとの言う意味を知った。太陽の一番下の部分がゆっくりと膨れ始めると、まるで一滴(ひとしずく)の水滴のように海のほうへと融けはじめたのだ。
「えっ? なにこれ?」
 わたしはそう言ったつもりだった。でも、その声はあの人の耳に届いていなかった。わたしの声は口から出ずに、心の中でとまっていた。
 太陽のしずくはだんだんと大きくなっていった。すでに一番下の部分は水平線に融けだしていた。水平線から紅い線が伸びていく。融けたしずくが流れているように見えた。
「すごい」そのひと言を出すのが精いっぱいだった。
「すごいだろ。これを君に見せたかったんだ」
 わたしはあの人を見た。そして。
「うん。すごいよ。こんなに綺麗なものが見えるなんて思わなかった。連れてきてくれて、ありがとう」と、素直に感謝した。
 わたしの喜ぶ顔を見て油断したのか、あのひとが本音を漏らす。
「小さなころから見ていた景色だけど、いつ見てもきれいだと思っていた。でも、自分ひとりで見るのはもったいない気がしていたんだ。だから、いつか好きな人ができたら絶対にその人にも見せるって決めてたんだ」
「えっ!」思わず声をだしていた。あのひとは「あっ!」と小さく漏らした。
 あの人の顔は今までよりずっと赤くなっていた。だけど、その顔はいままでのどの顔より輝いて見えた。いつもと同じはずの顔が、なぜか特別に見えた。
 そのとき……。
 わたしの時が止まった。周りの景色がふいに見えなくなった。目の前に広がっているはずの海も、足もとにあるはずの岩も、紅く染まったはずの空も、あるはずのすべてのものが消えてしまった。
 ――そして、あのひとの横顔だけが残った。
 ほんの一瞬のことだったのかもしれない。だけど、わたしには永遠につづくように思えた。あのひとがわたしの腕を掴むまでは。
「大丈夫か?」の声で我にかえった。
「なんでもないわ」そう言い残して海を見た。紅く染まった太陽はすでに、その体の半分を海に融かしていた。
 あのひとは何も聞かなかった。そして、わたしは何も言えなかった。
 ただ、二人で静かに融け落ちる太陽をながめていた。


つづく





























みなさん、こんにちは。
二月になりました。
今年は暖冬とはいえ冬はやはり寒いです。
お風邪を召さないようにしてください。

さて、今回は短編を書いてみました。
本来は去年の十二月にミニ小説として発表する予定だったのですが、
途中から文章が長引いてしまって構想がうまくまとまらなくなったので、
何度か手直しをしているうちに二月になってしまいました。

長編と違いプロットなしの思いつきで書くのでたまにこういうことが起こります。
長編の方ももちろん書いてはいるのですが、慣れないプロットやシノプスの構成に
手間取っているのと、得意ジャンルではないミステリーに挑戦しているので四苦八苦
しております。
早く書き上げて公募に挑戦したいです。

今回の小説の原稿は既に完了しているのですが、私の作品としては長いものになるので
八部から十部くらいに分けて掲載する予定です。ご了承ください。






               「太陽のしずく(第一話)」


 耳元で、風を切る強い音がした。夕暮れの風が夏のほてりを奪い去る。黒いスカートの裾がたなびいた。小さな波が足首を濡らす。裸足の指先から砂がさらわれていく。ざわつく感触が足の裏をくすぐる。あの日と同じように……。
 なんども来た海だった。でも、一人で来たことはなかった。今日、はじめて一人で来た。あのひとの生まれ育った海をもういちど見たい思った。
『あのひとのために?』
『それとも自分のために?』
 心の中で自問した。
 陽が沈む。空が、海がオレンジ色に染まっていく。遠くに見せる水平線が、オレンジの空と海をひとすじの線で分けていた。空に浮かぶ雲の、片側だけを夕陽が染める。残された白さがなぜか悲しく思えた。ふたつに分けられた雲が可哀想に見えた。
 遠くで声がする。目を凝らしてみれば、数人の子供たちが波打ち際で遊んでいた。地元の子供だろうか。ときおり元気いっぱいの声が響いた。
『あのひとが小さい時もあんな感じだったのかしら?』
 走り回る子供たちを見ながら、そんな思いが頭をよぎる。目の前にある空も海も、あのひとが過ごした子どもの時と、たぶん変わってはいない。この海を見ているだけで、あのひとを思い出すことができる。大好きだったあのひとの笑顔が、いま目の前にあるように思えた。


 出会いは去年の春。
 東京にある同じ大学の同じ学部。お互い地方出身者。なんとなく気が合ってよく話す相手だった。特別に意識したことはなかったけれど、気がつけばいつもそばにいた。
 それは夏が始まったばかりのころ、海にいかないか、と不意にさそわれた。
「泳ぐにはまだ早いんじゃない?」とわたしが言うと。
「いや、海を見せたいんだ。俺の地元の海なんだけど、夕陽がものすごくきれいなんだよ。君にどうしても見せたいんだ。きっと、気に入るから」
 本当にきれいなんだよ、とあのひとは熱心に何度もさそってくれた。説明するときの真剣な表情とときおり見せる笑顔が、わたしに「うん」と言わせた。

 新幹線で西に向かい、ローカル線に乗り換える。お茶と富士山で有名なところ。だけどちょっと外れてけっこうな田舎町だったけど、電車の窓から見えるのはあのひとの言う通り広くてきれいな海だった。
 駅を出て海へと向かう。潮の香りが心を落ち着かせる。少し強めの風が私の長い髪を揺らした。
「すごい」浜辺についた時の、わたしの最初の言葉だった。見渡すかぎりの海、また海。はるか彼方の水平線までつづく青い海と青い空。
「ここで育ったの?」わたしの問いにあのひとは小さくうなづいた。
「ずるいな。こんないいところを独り占めにして」
 心からうらやましかったわたしは拗ねるようにつぶやき、すこし上目づかいであのひとを睨んだ。そして、困った顔つきで言葉をさがすあのひとに言った。
「また連れてきてね」
 わたしの言葉を聞いた途端に笑顔全開になったあのひと。その腕を引っ張って海へと走り出す。白い砂浜に立ち大きく息を吸い込んだ。最高の気分だった。
「ありがとう」
 わたしは精一杯の笑顔であのひとに心からお礼を言った。あのひとはとても嬉しそう笑った。
 波打ち際に沿って二人でゆっくりと歩いた。ときおり、足元まで寄せて来る波に驚かされる。
そのたびに、自然にわたしの腕を支えてくれるあのひと。ノースリーブの腕があのひとの手の感触を伝える。少し恥ずかしかったけど、でもすごく楽しかった。
「あぶないよ」というあのひとの声に反するように、わざと波打ち際を歩く。
『あのひとの困る顔が見たかったから? ううん、あのひとの手の温もりを感じていたかったから』
 そんなわたしの行いに神様から天罰。とつぜん、予想外の大きな波。大慌てで逃げようとしたけど足元に波が押し寄せる。そのとき――。
 急に体がふわっと持ち上がった。わたしを抱き上げたあのひとのスニーカーが、ジーパンが波に濡れていく。
「だいじょうぶか? 濡れなかったか?」波打ち際から離れた場所にわたしを降ろしながらあのひとが言う。
「ううん。わたしはだいじょうぶ。どこも濡れてないわ」
 申し訳ない気持ちでちょっと小声のわたしに。
「そうか。よかったな」と大きな声で笑顔のあのひと。
 思わず、ごめんなさい、と言ったら「なにが?」の返事。わざと波打ち際を歩いていました、とも言えずに返事に困ってしまった。
 濡れたスニーカーを右手に持って歩くあのひとの横を、こんどは波に濡れないように歩いた。ときおり強く吹き上げるイジワルな風に、左手でお気に入りの白い帽子を押さえ、右手でスカートの裾を押さえる。
「もう。風が強くていやになっちゃう」空を見上げて文句を言うと、あのひとが教えてくれた。
「もうすこししたら風が止むよ」
「えっ。そうなの?」
「夏の昼間は海から陸へと風が吹き、夜は逆に陸から海へと風が吹くんだ。でも、朝と夕方の一時期だけ風が止むんだ。『凪』と言ってね。朝と夕に風向きが逆転するときがあって、そのときにだけ風が止まるんだ」
「そうなんだ。物知りなんだね」
「地元だからね」と言ったあのひとが海を指さす。
「あの太陽がオレンジ色に染まりだしたら徐々に風が弱くなるよ。そして、太陽が真っ赤になるころには凪になるんだ」
 あのひとの顔を見ながら感心していたとき、また強い風が吹いた。それは予想外の突風だった。風はわたしのスカートに襲いかかった。
『ヤバイ!』わたしは両手で懸命にスカートを押さえた。お気に入りの白い帽子のことを忘れて。
「アッ!」わたしの小さな悲鳴とともに帽子が宙に舞い上がった。離れた場所に落ちた丸い帽子が砂浜の上をコロコロと転がる。
「帽子が!」わたしの声にあの人が素早く反応する。駆け出したあの人が帽子を掴もうとした瞬間、さらに強い風が吹いた。帽子はあの人の手をするりと抜けて再び宙を舞った。そして、こんどは海へと飛んでいった。
 わたしの白い帽子が波間に浮いている。プカプカとただようように。思わずつぶやいた。
「お気に入りの帽子なのに」
 その声に反応したかのように、あの人がとつぜん駆け出す。ためらいも見せずに海の中に入ると帽子に向かっていった。急な出来事に言葉を失ったわたしをしり目に、あの人はどんどん海の中を進み、そして帽子を掴んだ。高々と帽子を持ち上げて振るあの人の、腰から下は水の中で見えなかった。
「ありがとう。でも、わたしのせいで濡れてごめんね」というと、気にしなくていいよ、あの人は笑った。その、とびっきりの笑顔にわたしの心が反応した。
「トクン」……「トクン」
 不思議な気持ちだった。言葉で言い表せないような妙な感じ――。ただ、なぜか恥ずかしくなった。


つづく






明けまして、おめでとうございます。

2016年になりました。

今年がみなさまにとって良い一年になりますようにお祈りいたします。



年末にいつも思うことは「今年は何ができたんだろう」ということです。

振り返ってみれば反省ばかり。

あれも中途半端、これも中途半端。

悔やむことが多すぎて恥ずかしくなります。

目標を達成することより、

「達成するための努力がきちんと出来ているか」が大事だと思います。



「継続は力なり」

昨年、一番強く感じたことはこの言葉です。

地道でも一歩一歩たしかめるように進んでいく。

この一歩を大切に、そして着実に進めたい。

今年は何か一つだけでもやり遂げたい。

これを目標に頑張ります。

この一年が、皆さんと私にとってとても良い一年になりますように心から切に願います。


2016年元旦 記す



(追伸)

昨年の9月から再開したロングブレスレットダイエットのおかげで

三か月で6キログラム痩せました。

大腸のポリープが破れて中断したせいで83キロまでリバウンドした体重も

年末には77キロまでなりました。

ベスト体重は73キロなのであと4キロ落としたいですね。




7月になりました。
ご無沙汰してすみません。

小説の方は試行錯誤の繰り返しで遅々として進みません。
色々とあって、小説に集中できない時期が続いていました。
でも、ようやくいくつかの問題もかたづき、やっと精神的に落ち着いた日々が
過ごせるようになりました。

朝、ふと思いつき、ひさびさにエッセイを書きました。
大好きな雨音で目が覚めたせいでしょう。





                
                「雨音の調べ」


雨の降る音で目が覚めた。
少し蒸し暑い、梅雨も終わりに近い夜。
我慢しきれずにわずかに開けた窓。
いつのまにか降り始めた雨が、庭先の大きな紫陽花の葉にあたる。
去年の夏に、海で聞いた音に似ていた。

二人で聞いた波の音は静かに、そして優しく私の心に沁みこんだ。
満ち足りている時間は、いつでも穏やかに流れる。
からめた腕が嬉しかった。
見上げた横顔が夕陽の色に染まっていた。
ずっと続くと思っていた。
このまま『永遠』に続いてと願った。

窓から見える大きくなった薔薇の花は赤と白と黄色だ。
去年の海からの帰り道に、私が見つけたグリーンショップで買った。

あの日、彼の運転で帰る途中に見つけた。
私の大好きな薔薇がたくさんの花を咲かせていた。
心の豊かさが、花を愛でる余裕をもたらす。
そして、今日の思い出として記念になるものが欲しかった。
私は赤と白がいい、と言った。
彼は黄色がいいよ、と言った。
『純粋な愛』を意味する赤い薔薇。
『相思相愛』を意味する白い薔薇。
彼が選んだのは『恋』を意味する黄色の薔薇だった。
結局、私は大輪の赤と白の薔薇を買い、彼は小輪の黄色い薔薇を買った。
だけど、私たちは知らなかった。
黄色い薔薇は、大輪と小輪では花言葉が違うことを。

『笑って別れましょう』
花言葉が現実になったのは、今年の梅雨に入る前の日曜日だった。

「アンニュイ」という言葉が似合う日曜の朝。
何の予定もない一日を過ごすために起きる。
とつぜん大きな雨粒が屋根をたたく。
大勢の人がいっせいに走り出したのかと思うような音だった。
けだるさを吹き飛ばすには充分すぎた。
ゆっくりと体を起こし、ベッドの脇にある窓を大きく開いた。
網戸にあたって砕けた雨粒が、私の顔と腕をしめらせた。
ベッドに正座し、木の窓枠に両腕をおいて顎をのせる。
すこしだけ顔を濡らす雨が冷たくて気持ちいい。
このままぼんやりと庭を眺めていたいと思った。

薔薇が目にはいった。
大きな花の下で、小さく咲いていた。
捨てようと思った薔薇。でも捨てられなかった薔薇だった。
あの人の好きな黄色。あの人の思い出そのままだった。
ふと、
薔薇を捨てなくてよかったと思った。
思い出は、たとえ辛いものだとしても、何もないよりはあった方がいい。
いつかそれが、心の支えになるかもしれないから。
昨日までと違う私。
少しだけふっきれたのかもしれない。

雨音の調べが……。
私の気持ちを和ませる。
心にすこしだけ、余裕ができた気がした。

屋根から落ちる雨が庭に水たまりをつくる。
風に吹かれた雨が舞う。
目の前にある紫陽花が、重そうな青い花を上下にゆらしていた。
よく見ると、小さな蝸牛(かたつむり)が、大きな紫陽花の葉っぱの上にいた。
大波にもてあそばれる小舟に、必死にしがみつく船人のように思えた。
助けようかしら、一瞬のあいだだけためらった。

そのとき、とつぜん現れた手が小さな蝸牛を持ち上げた。
見上げた私の目に黄色の傘が写った。私が贈ったものだった。
左手に傘をもち、右手のひらに蝸牛をのせた彼が立っていた。
はにかんだ笑顔は去年の夏と変わらない。
海で見たあのときの笑顔とおなじだった。

雨の音が静かに、そして優しく私の心に沁みこんでゆく。
それは、あの夏の日の、穏やかな時間の到来を告げるものだった。




2015年7月1日 記す







































          二月になりました。今年はとても寒く感じます。

          みなさまもお体には気をつけてお過ごしください。 



          ふっと短文を書きたくなる時があります。

          たぶん息抜きがしたくなるからでしょう。

          たまにしか更新しなくてごめんなさい!


 
          


             「それでも明日はやってくる」



     あなたが今日を泣き明かしても、それでも明日はやってくる。

     あなたがうつむいたままで今日を過ごしても、それでも明日はやってくる。

     あなたがこぼした涙で溢れかえっても、それでも明日はやってくる。
 

     
     忘れなさい。それがあなの唯一の手段です。

     前を向きなさい。それがあなたのとるべき手段です。

     踏み出しなさい。それがあなたの生きる手段です。



     あなたが過去を想っても、誰もあなたを救えない。

     あなたがその場で立ち止まっても、誰もあなたを押してくれない。

     あなたが深く傷ついても、誰もあなたの心の中を覗けない。


     未来に託しなさい。それが希望となるのだから。

     歩きだしなさい。それが夢につながるのだから。
   
     強くなりなさい。

     それこそが幸せになれるたったひとつの方法なのだから。
    
     
 
十月も半ばになりました。

寒さを直に感じる季節です。

この季節は台風が過ぎるたびに気温が下がると言われています。

朝夕の気温の変化に体調を崩しやすい時期です。気をつけてくださいね。

もう二週間もすれば十一月そしてすぐに大晦日です。

時の流れの速さに年々ついていけないように感じます。

『でも、ただ流されるのではなく少しでも足掻きたい』

ひさびさに読み切りを書きます。





               「情熱の赤い花」



 不器用な男だった。感情を出すのが下手な人間だった。「怒っているの?」とよくからかわれ

た。「笑わないよね」と不思議がられた。意識してやっているわけじゃない、男はいつも思って

いた。


 だがある日、一人の女性から言われた。

「意識しすぎているからそうなるのよ」
 
 男は意味が分らなかった。女は諭すように言った。

「あなたは周りに気を使いすぎるのよ。だから自分を殺してしまうの」

 男は黙って聞いていた。

「人間は十人十色なのよ。ある人が右へ行くのが正しいと言っても左が正しいと言う人もいる

の。またまっすぐ行きたいと言う人もいれば戻りたい言う人も出る。あなたはそんな人たちの意

見をすべて尊重しようとしてしまう」

 男は小さくうなづいた。

「結局あなたは気を使いすぎるの。もう少しだけ自分の考えを出す努力をしないとね」

 男は、なるほどそのとおりだ、と思った。

 女は話を続けた。

「わたしが出かける用意をしている時に服選びであれこれ悩んでいたら母が言ったの」

『お前が思っているより人はお前のことを気にかけてはいないよ。人目を気にするより自分を出

す事を考えなさい』

 そして母はこうとも言ったのよ。

『周りの人の意見を聞くことはとても大事なことだけどそれは自分を殺せということではないの

よ。人の意見を自分の中に取り込んで整理し自分なりの解釈をしなさいということなのよ』

 男は女の言葉に大きくうなづいた。気がつくと男は自分の両手で女の両手を包み込んでいた。

女は一瞬だけ焦ったが、男の真剣な目を見ているうちに自分の頬が熱くなるのがわかった。そし

て『これはひょっとして運命なのかな』と思った。

 それからは二人でよく散歩をした。男の言葉の相変わらず少なかったが常に女の傍らにいた。

その大きな体に伴って、どこかしら醸し出す存在感が女を安心させた。

 月日は流れて二人は小さな新居を構えた。新居のすぐそばには小高い丘があった。二人は丘の

周囲をまわるように散歩するのが日課だった。散歩のあいだ中、妻は夫の大きく太い腕に自分の

細い腕をからめた。繋がれた手から安心感が伝わってくるような気がしたからだ。

 いつものように散歩をしていると妻が不意に立ち止まった。あんなところに花が、と言って妻

は丘を指さした。丘の一部が崩れて崖になっていた。その崖の途中に一輪の赤い花が咲いてい

るのが見えた。小さな花だった。燃えるような美しい赤が印象的だった。

「近くで見れたらもっと綺麗に見えるんだろうな」

 妻は思わずつぶやいた。だけど花の咲く場所はちょうど崖の真ん中で、下からは梯子を使って

も届かない場所だった。

「頂上にある大きな木にロープを巻きつければ降りれるかも知れない」

 夫は真剣な顔つきで言った。その言葉を聞き妻は即座に、だめよ、と言った。妻の顔は怒って

いるように厳しかった。この人なら本気でやるかもしれない、と思ったからだ。花一輪のために

夫を危険な目に遭わせたくはなかった。だけどその花はとても綺麗だったので散歩のたびに立ち

止まって見ることが日課に付け加えられた。

 
 平穏な日々が流れた。でも幸せが永遠に続くことはない。妻が病に倒れたのはそれからすぐの

ことだった。

 小さな部屋に呼ばれて夫は医者に言い渡された。

「このままでは危険な状態です。一刻も早く手術をした方がいいのですが成功率が低いために奥

さんが手術を怖がって同意してくれません。あなたからも説得してください」

 感情も出さず言葉も発しない夫に医者はさらに言った。

「たしかに手術の成功率は低い。だけど手術をしなければそんなに長くは生きられない」

 夫は医者と一緒に妻を説得した。

「あなたを失いたくはない。だからどうぞ手術を受けてください」と哀願した。

 でも妻は返事をしなかった。長い沈黙が病室を覆った。少し時間をおきましょう、と医者が言

ったので夫もうなづいた。妻を病室に残し夫は家に向かった。一人になって考えたいと思った。

 家の近くまで戻ったが夫は家に帰らなかった。妻といつも二人で行った散歩コースを歩いた。

いつものように歩き、いつも妻が立ち止まった場所で歩みを止めた。それは習慣だったからだろ

う。見上げた場所にいつものように花が咲いていた。少しだけ風が吹いたのか。赤い花が小さく

お辞儀をした。「わたしを見せてあげて」赤い花がそう言ったように感じた。

 頂上の木から太いロープを垂らした。ロープの先端には足を入れることができるように輪っか

が作ってあった。右足を輪っかに入れて姿勢を保った。しかし花を摘んでしまうと萎れてしま

う。夫は土ごと掘り起こした。だが、降りることはたやすいが登ることは容易ではなかった。ま

して大柄な夫はかなり重い。なんとか登り切った時にはかなりの体力を消耗していた。

 夫は病院に急いだ。少しでも早く妻の元に届けたかった。この花を見れば勇気が湧くはずだ

と、きっと手術を受けてくれると思った。自転車を漕ぐ足にチカラがはいった。懐に花を入れて

必死の思いでペダルを踏み続けた。

 アスファルトの道はキレイに舗装してもすぐに傷む。ところどころに小さな穴ができたりす

る。そしてその穴を埋めた段差があちらこちらにあった。疲れていて油断したのか、もしくは集

中力がなくなっていたのかは分らない。ただ言えることは夫の腕や足の筋肉はもう限界に近かっ

た。

 ほんの小さな段差だった。いつもなら問題のないものだった。しかしその小さな段差からきた

ほんの僅かな衝撃が、疲れ切った右足をペダルから外させた。途端にバランスが崩れる。夫は花

をかばうためにお腹を押さえた。ために受け身がとれなかった。背中から道路に叩きつけられ

た。一瞬、息が詰まった。だがすぐに立ち上がった。体は大丈夫だったが自転車のチェーンが外

れハンドルが曲がっているのがわかった。夫は走った。病院までの道を必死に走った。

 病院の玄関で夫は看護士に止められた。夫の全身は土埃にまみれていた。息も絶えだえに妻に

会わせてくれ、と夫は頼んだ。しかし看護士の立場からいって彼を病院に入れることはできなか

った。何人もの看護士が夫を取り押さえた。せめてこの花を妻に届けてほしい、と夫は土が着い

たままの花を差し出した。だが、それが受け入れられるはずもない。

 夫は泣いた。うまく伝えられなくて泣いた。自分の想いをわかってほしくて泣いたのだ。

 すると一人の看護士が言った。

「すこしだけ待ってください」

 夫は小さくうなづいた。しばらくして看護士はフタのついたガラス瓶を持ってきた。

「これに入れてください。わたしが必ず見せますから」

 看護士の言葉に従い夫は赤い花をビンの中に入れた。病院の廊下を慌ただしい音が駆け抜け

る。「ご主人からですよ」そう言って、病室の妻にガラス瓶に入った花が届けられた。

 その花が崖の途中に咲いているあの花であることは妻にすぐわかった。ビンの中の花は燃える

ような赤い色をしていた。それは夫の想いそのものだと妻は思った。見る者の気持ちを奮い立た

せる……情熱の赤い花だと。

「がんばるから」妻は一言だけつぶやいた。









(創作時間2時間)




























 九月も半ばになりました。残暑もなく過ごしやすい日々が続いています。

ときおり吹く風が少し冷たくて、それが心地よく感じます。

ですが、季節の変わり目です。体調に充分に気をつけてお過ごしください。


話しは変わりますが、私は風が好きです。

後ろからきた追い風が体を前に押しやるとき。

立ち止まっている自分を、前へ進めよと後押ししてくれているようで。

少しだけ勇気をくれるような。そんな気がします。

もちろん向かい風の時もあります。強い風が私をはばみます。

でもそれは、ここが踏ん張りどころだぞと言っているような気がします。

頑張って押し返してみろ、風がそう囁いていうような気がするのです。








              「桜の花が咲くころに」




 春の気配が、陽射しの柔らかさでわかるころ。

 まだ風は少し冷たいけれど、もうコートを脱いでもいいよと『桜の蕾』が囁いていた。


彼女とは幼馴染だ。僕の方が二つ年上で、近所には同じ年くらいの子供があまりいなかったの

で、幼い頃はいつも二人で遊んでいた。


 最初の変化は、僕が小学生になったときだった。
 
 お母さんに手を引かれて見たこともない大きさの門をくぐった。校庭にはお母さん背丈よりの

何倍も高い『桜の木』があった。木の幹は太くて僕が抱きついてもとても手が届かない。きっと

僕が何人もいないと手が結べないと思った。

 幹の太さを鮮明に覚えているわけは、その桜の木に枝が見えなかったから。幹の太さに驚いた

僕は立ち止まって木を見上げた。僕の目に映ったものは枝も葉も無く、ただ桜の花だけだった。

いっぱいの花を体中にまきつけた桜の木が青空の中にピンクの花を咲かせていた。



 立ち止まった僕の手をお母さんが引っ張った。こっちよ、と言うお母さんの声が遠くでしたよ

うな気がした。春一番という風が僕の体を揺すった。風に負けまいと僕は体にチカラをいれた。

その時、僕の目の前に桜の花びらが舞った。小さなつむじ風が通り過ぎっていった。僕は見上げ

た。空には舞い上がった花びらが薄いピンクのカーテンを引いていた。

もう一度強い風が吹いた。僕の体をお母さんの方へと押しやった。もう行きなさい、と言ってい

るかのようだった。


 入学式が終わり僕はお母さんと一緒に家へ帰った。それから入学式用の服を着たままですぐに

彼女の家に行った。少しでも早く、大きな桜の木と青い空、そして宙を舞うピンクの花びらの話

をするために。

 彼女は家にいた。幼稚園から帰っていた。僕の話を聞いた彼女は、私も見たいと言った。僕も

見せたかったけど小学校は少し遠かった。しかも僕は小学校に行く道をぜんぶ覚えていなかっ

た。明日からは子供会の班長さんが連れて行ってくれることになっていたので道を覚える必要が

なかった。小さな彼女を連れて二人だけで行く自信が僕にはなかった。

 こんど連れて行くから、と僕は言った。だけど彼女は、いま行きたいと駄々をこねた。僕が拒

否すればするほど彼女は言う事を聞かなくなった。ついに泣き出した彼女を見て僕は困ってしま

った。



 結局、僕は降参した。そしてすぐに行くと言う彼女に負けてそのまま小学校へと歩き始めた。

最初はよかった。まだ道を覚えていたから。でも僕たちはすぐに迷子になった。彼女の小さな手

を引きながら、僕は段々と早くなっていく自分の心臓の鼓動を聞いていた。まだ着かないの、と

いう彼女の言葉がプレッシャーになっていた。その言葉を何度目かに言われた時に、自分でも驚

いた言葉がでた。


「うるさい」

 彼女はビックリした顔で僕を見つめていた。立ち止まる僕をただじっと見ていた。その大きく

な瞳から涙がこぼれるんじゃないかと僕は思った。でも彼女は泣かなかった。繋いだ僕の手をぎ

ゅっと握りしめていた。僕は気づいた。自分の言った言葉に。そしてごめん、とひと言だけ謝っ

た。彼女は何も言わずに首を横にふった。それから一言だけ「もう帰ろう」と言った。しかし帰

り道が分らなかった僕たちはしばらくその場に座り込んでいた。心配したお母さんが見つけてく

れるまで。


 二人の前に僕たちの両親が揃って立っていた。しかし怒られたわけじゃない。どうして二人だ

けで行ったの、としゃがみ込んだお父さんが聞いてきた。僕はなんて言っていいのかわからなか

った。本当のことを言えば彼女が怒られると思ったからだ。黙っている僕たちにお父さんがもう

いちど言った。「理由は言えないのかい?」僕は小さくうなづいた。お父さんは彼女の親を見て

言った。「こうして無事に帰ってきたからもういいでしょう」周りの大人はみんなはうなづい

た。



 このことがあって僕は彼女の家に行けなくなった。彼女が嫌いだということじゃなくて彼女の

お父さんとお母さんに顔を合わすのがなんとなく気まずかったからだ。そして彼女も僕の家に来

なくなっていた。




つづく



















                「禁煙④」



 人口10万ほどの地方都市である犬川市は隣接する瀬戸市のベッドタウンと化していた。瀬戸

市に一番近い犬川市の東部地区はもともと山間部であり林業が多かった。下落しつづける木材価

格と後継者不足により衰退の一途をたどるのは農業も林業も変わりない。管理者が高齢になった

里山は荒れ放題になり所有者にとってお荷物以外のなにものでもなかった。売ろうにも山林は価

格が著しく低い。山ひとつ売っても100万円にもならないほどっだった。



 大手デペロッパーである青木建設は都心や大都市の中心部でのマンション事業が専門だった

が、同業他社の進出により収益が悪化していた。二期連続で赤字計上していたために銀行側から

再三、経営陣のテコ入れを打診されていた。有効な打開策を見いだせなかった三代目社長の青木

勇造は祖父の代から親交がある民自党の幹事長太田黒に相談をもちかけた。太田黒にとって青木

建設は最も重要な後援者一人だった。



 瀬戸市には国と県と市が出資した『瀬戸西部工業団地』がある。本来、これほど大規模な工業

団地はもっと大きな都市に造るものだが瀬戸市は太田黒の選挙地盤だった。とうぜん企業誘致や

工業団地建設には太田黒の暗躍があり多額の金が動いたことは容易に推察できた。現実に一部の

週刊誌が記事にしようと動いたが与党民自党の幹事長である太田黒を敵に回すのは難しいと上層

部が判断しお蔵入りになった経緯がある。




「警部補。次の交差点を左でしたね?」
 
 相棒の亀梨の問いに、カーナビを確認しながら松下は「おう」と答えた。覆面パトカーはゆっ

くりと左に曲がった。遠くに連なる山が見えた。広々とした水田が続く風景とは対照的に山の斜

面にへばりつくように真新しい家が無数に見える。

「あそこですか?」亀梨は前方の山に視線おくりながら言った。

「いや。あそこじゃなくて次の交差点を右に行った奥だ」

 三つの山が連なる通称『犬川連山』は一番奥から小山、中山、大山と呼ばれていた。今回の地

震でがけ崩れが起きたのは一番小さな小山だった。小さいといっても標高は200メートルもあ

るので簡単に登れる高さではなかった。そして、中山の標高は250メートルだったが大山だけ

は群を抜いていて400メートルだった。斜面の住宅地を左に眺めながら覆面車は小山の裏手へ

とまわった。

「すごいですね」亀梨がとつぜん大きな声をだしたので、何がだ、と言わんばかりに松下は亀

梨の顔を覗きこんだ。

「あの山ですよ」運転中の亀梨が顎をしゃくってみせた。

 そこには山の斜面を極端に削り山を縦半分に切断したような造成団地が見えていた。立ち並ぶ

家々はまるで棚田のように見えた。何段階にも削っては平らにし、また削っては平らにしてあっ

た。山頂部は平らに削られそこから順々に棚が造られいた。

「まるで雛飾りのようだな」松下はぽつりと呟いた。亀梨は無言で頷いた。




続く


暑中お見舞い申し上げます!

7月は去年と同じで気温も上がらずに中旬まで過ごしやすくて助かりました。しかし7月の下旬から急に暑くなりましたね。
テレビのニュースでも全国的な熱中症の話題でもちきりです。

皆様も水分の補給を充分になさって健康に気をつけてください。


また長い間、更新せずに申し訳ありませんでした。
中にはご心配をお掛けした方もあるかと思います。
本当にすみませんでした。

さて私の近況で一番の変化はと申しますと。
ロングブレスダイエットが出来なくなったということです。
原因は『大腸憩室症』です。

大腸憩室症とは大腸に小さな葡萄の粒みたいな袋ができ、腹部に強い力を入れた時にその袋が破れて出血するというものです。

ロングブレスダイエットは腹部に圧力をかけるために大腸憩室症になりやすいらしいです。
それと加齢による腸管壁の脆弱化や肥満等も原因があると言われています。
憩室症は痛みがまったくなくて普段の生活では支障がないために発見されることは稀だそうです。
検診等でバリウムを飲んで偶然に発見されることが多いとか。
そのためか、私もまったく気づきませんでした。


ある日の事でした。
いつもようにロングブレスダイエットをやってから30分くらい経ったころでした。
腹部の右側に違和感が起こり、妙に痛いような変な感じがしました。

(ここから先には食事中もしくは食事前の方にはお勧めできない文章表現がありますのでご注意ください)

そして突然にお腹がグルグルと言いだしたので下痢だと思いました。
私は大腸過敏症の既往歴があるので下痢をしやすい体質なんです。
いつものことだと思ってトイレに行くと思いのほかにヒドイ水便でした。
(シャーシャーと音をたてるやつです)

「あれ?お腹を冷やしたのかな?」と思いましたが、こういうことはよくあることなのであまり気にしませんでした。

用が終わり流そうと便器を覗いたところ。
(私は自分の便を毎回チェックすることにしているのです)
なんと便器の中が真っ赤かじゃ、あ~りませんか。(関西でしか解らないギャグw)
あまりに驚いたので、ドヒー!なにこれ!!と思わず自分にツッコミをいれたくらいです。
まるで赤ワインをぶちまけたみたいでした。

とりあえず流してトイレを出ようとしたときのことです。
また急にお腹がグルグルと音をたてます。
ウソ!!! と思いつつも再度、座った途端に勢いよく水便のシャーーという音。
(汚い話で、どうもすいません)
またまたの赤ワイン。
(うへー マジかよ!)

トイレを出てパソコンの前に一直線。
症例を調べたら『大腸憩室症』の症例とピッタリ一致。
ただし1~2日絶食をすれば出血は止まり治る、と書いてあったので一日半絶食をしました。
その間に10回以上の下血がありました。毎回、大量の下血でした。

一日半の絶食で下痢や下血も治まり、痛みや妙な感触もなくなったので少しだけオモユを食べました。

だ~が~!
これが過ち!!!
途端に下血が出るわ出るわ。
入れたオモユの数倍は出ました。
そらそうだ。下痢じゃなくて大腸の一部が破れての出血だもの。
おかげで今度は二日間の絶食となりました。

二日後には無事に完治して食事もできるようになったので一安心。
「な~んだ思ったよりより軽い病気なんだ。病院に行かなくても治ったじゃないか。ネットの情報も当てになるもんだ」
と喜びました。

ところが後日のこと。
たまたま用事があって遠方の義弟と電話で話をしていた時でした。話しが一段落したので世間話のつもりで言いました。

「この間、便器が真っ赤になるくらいの下血をしてさ。びっくりしたよ」
「どうしたんですか?兄さん」
「いやトイレに行ったらさ。便器の中が赤ワインみたいになってて驚いたよ」
「なにか病気でもしたんですか?」
「うん。パソコンで調べたら大腸憩室症と症状がぴったり一致したから多分そうだと思う」
「それで病院には行ったんですか?」
「いや。ネットには自然治癒するからと書いてあったから病院は行ってないよ」
「兄さん。それはおかしいですよ。病院には絶対に行ってください。あの病気は炎症や感染症を引き起こすから危ないんですよ」
「えっ!まじで?」
「医療関係に詳しい君が言うんだから本当なんだろうな。わかった次回は必ず病院にいくよ」
「そうしてください」
「ありがとうね。また電話するよ」

電話を切ってすぐにネットで検索したところ自分の早とちりに気づきました。
ネットには下のように書いてありました。

大腸憩室症があっても日常生活では特別に制限されることはありません。たとえ憩室が多くできていても症状が無ければ治療の必要はありません。
多くは間欠的な出血で7~8割は自然に止血します。
食事を止めて水分補給だけで1~2日ほど過ごせばで自然治癒します。
最初の時はここまで読んで理解したつもりになっていましたが。
続きはこうです。

ただし出血を繰り返す時や大量の出血がある時は止血処理をしたり抗生物質の服用が必要になります。

人間って自分の都合がいいようにしか脳が判断しないんですね。
ちゃんと読んだつもりだったのに都合のいい解釈しかしていないんです。
絶食して水分補給だけしていれば1~2日で治癒する病気だと思い込んでしまったのです。
もし炎症を起こしていたら危険な状態になることもあるそうなんです。



教訓:「過信するな!健康と自信はすぐ崩れる」



皆様も自分の体を過信せずに病院と上手く付き合ってください。

それでは八月の猛暑に気をつけてお過ごしください。


2014年8月1日 記す 笑う手招き猫