アトピー性皮膚炎の苦悩は、なったことのない人にはわからない辛さがあります。
日常生活に支障をきたすほどになると、自分が生きている意味さえ疑ってしまうほどの気持ちになることもあります。実に私がそうでした。
もちろん皮膚科にも何年も通いましたし、数々の民間療法も端から端まで試みましたが、どれも一時的には良くなるものの、完治には到底至りませんでした。
しかし、私は生後1歳から発症していたそのアトピーをこの鍼灸治療で克服することができました。
アトピーとはどのような原因で皮膚に炎症が起きるのか、鍼灸治療ではからだにどのような変化が起きてどのようにして治っていったのか、身を持って体験しながらたくさん学び、その知識を反映させながら、今自分と同じように苦しんでいる方たちに寄り添うよう、自らアトピーの治療を行っています。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎という病気は、炎症は皮膚に起きていますが、根本はからだの中にあります。からだの中というのは、いわゆる内臓です。そして、内臓のうちの特に胃と腸に問題があります。
しかし、胃腸が弱っているだけで、アトピーになるわけではありません。そこには様々な要因が関係してきますが、その中でも重要なのがタンパク質の存在です。
タンパク質というのは食べ物に含まれるので、誰でも毎日のようにからだの中に摂り込んでいます。
通常、口からからだの中に入ったタンパク質は胃腸でアミノ酸に分解されてから、からだに吸収され、もう一度タンパク質に合成されます。
この過程が非常に大事なのです。
胃腸が弱っていると、アミノ酸に分解されなかったタンパク質をからだがそのタンパク質のまま吸収してしまいます。
すると、その過程は間違っていますから、からだはそのタンパク質をからだに必要のない異物だと判断し、抗体をつくり出します。
抗体というのは、からだを外部の細菌やウィルスなどから守るものです。
タンパク質専用に生まれたその抗体は血液に乗って全身を巡り、いつでも外部からの侵入者を撃退するために臨戦態勢を整えています。
そこに例えば、ダニやハウスダストなど空気中に含まれるタンパク質が皮膚の弱い部分に触れると、待ち構えていたその抗体がそのタンパク質を攻撃するべく、かゆみや湿疹を起こします。
これがアトピー性皮膚炎の原因です。
皮膚表面だけいくら治療しても、なかなか治らないのは原因が表面だけではないからなのです。
アトピー性皮膚炎の治療法
では、アトピーを根本から治癒させるために、鍼灸ではどのようにして治療すればいいのでしょうか。
まずは、胃腸が正常に働くよう整えます。
胃腸はストレスの影響を非常に受けやすい臓器です。ストレスというのは精神的なものや肉体的なものなど様々あります。
アトピー体質の方はこのストレスにとても影響されやすいので、些細なことでもすぐに胃腸を傷つけてしまうことになります。
ですから、自分のストレスとなっていることを見付け、その悪影響をなくすことがアトピー治療にはとても大事です。鍼灸よりも何よりも、そこに取り組むことがまず第一です。
また胃腸は、自律神経(内臓を動かしている神経)を正常に働かせることで改善していきます。
鍼灸は自律神経を整えることを得意とする治療法ですから、適した施術をすることにより、からだをリラックスさせ、ストレスを軽減させ、胃腸は改善していきます。
また、東洋医学的には、からだの中の水分の循環や発散がうまくできず、体表に熱がこもり、それがかゆみや乾燥になると考えます。
そのため、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中の腎と肺の働きを高めることで、水分の作用を正常に働かせるようにしていきます。
そして、同時に気血を巡らせ、からだに元気が戻ってくることで、人間が本来持つ自然治癒力が高まり、からだは改善へと向かいます。
様々な要因
アトピーは様々なことの掛け算で発症します。原因がひとつではないので、治癒させることが困難な病気です。
これまでにあげた胃腸の問題に起因して、生活環境(ダニ、ハウスダスト、ペットなど)や生活習慣(睡眠、運動不足など)、食事、スキンケア、そしてストレスなど、生きていく上での通り道に原因の数々が点在しています。
完治に向かうためには、それをひとつひとつ解決していかなければなりません。
難しいことかもしれませんが、しかし、本気で治したいのであればそれは乗り越えられることではないでしょうか。
ステロイドは怖くない
そしてもうひとつ、アトピー治療には必ず関係してくるステロイド(副腎皮質ホルモン剤)についてです。
「ステロイドは危険なので、直ちに脱ステロイドをして、からだから毒素を出しましょう」と促すようなことをよく目にしますが、私は一概にそうとも言えないと思っています。
確かに副作用などの弊害がありますし、使用しないにこしたことはありませんが、これほどまでに皮膚を一瞬にしてきれいにできるアイテムは世の中にステロイド以外の他にありません。
からだの内側に目を向けず、皮膚表面の見た目だけ治そうとステロイドを塗り続けるのではよろしくありませんが、まず、皮膚表面をきれいにして、外部からの影響を遮断し、きれいになれば心も落ち着きますし、生活に支障が出ない状態にしておいてから、同時に鍼灸治療でからだの内側から治療していくのがベストの治療法ではないかと私は考えます。これで、心とからだに与えるストレスもかなり軽減できます。
からだの内側が改善し、症状が出なくなれば、自然にステロイドは塗らなくなり脱ステロイドはされていきます。
ですから、無理に脱ステロイドをして、数か月間も苦痛の生活が続き、仕事もできず、学校へも行けない状態で悩ましく生きていく必要は決してありません。
必ず治る
人間のからだというのは、必ず正常な状態に戻るようにできています。
切り傷がかさぶたとなり治癒していくように、ゆっくりでも確実に改善へ向かいます。
そういった自然治癒という力を誰でも持って生まれてきます。
ですから、あなたのからだも必ず元の健康な状態に戻ります。
どうか、あきらめずに自分の治る力を信じて、病気と向き合ってください。
病気であることすらポジティブに捉え、そこから多くを学んで人生の糧としてください。
健康になんでもできる日常というのは、それだけでとても輝いています。
どうぞ、そんな日々を手にしてください。
私はその手助けを全力でさせていただきます。
武井和蘭
WARAN はりきゅう ROOM
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