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ワラジムシTOKYO

ワラジムシについてゆる〜く書いていきます。

図書館から借りてきた日本産土壌動物という本を参考に、これまでハヤシワラジムシと呼んでいた種類の正式名の特定にトライしてみた。

結論から言うと、すっきり特定とはいかず、素人には手に負えない感じであった…

 

難しさを分かってもらえるよう、本の図を引用させて頂き、顛末を示したい。

 

対象としたのはこのワラジムシ。非常におとなしい性質で、光を当ててもカメラを向けてもほとんど動かないという、観察にはもってこいの種類だ。

都内の河川敷近くで捕まえたもので、白っぽい触角と黄色い尻尾が特徴的である。

 

参考にした本は、前回の記事でも触れたこの分厚い本。

 

チャートにしたがって分類していく。

まずはワラジムシ目からスタート!

出典:日本産土壌動物 分類のための図解検索 第二版

これは簡単、尾肢が突出し体を丸くできないから、明らかに(1)だ。

 

 

(1)に移動。いよいよ本番だ。

出典:日本産土壌動物 分類のための図解検索 第二版

まずは上段、白体の有無と触角の鞭の節の数だ。

鞭は2節かつ、白体もあり、上段は右側と判定できる。

中段は白体の数であり、上の写真から5対で右側に確定だ。

 

次に下段で、白体に穴があるかどうかということだが、よく分からない…

特に穴は無いように見えるため、右側ということにして(22)へ行こう。

 

 

(22)ハクタイワラジムシ科、ミナミハヤシワラジムシ属だ。

出典:日本産土壌動物 分類のための図解検索 第二版

上段は体色と個眼の数による判定だ。

個眼の数を数えて見ると10個で、左か中央ということになる。

次に体色だが、2対の縦縞はないため、左のタテスジハヤシワラジムシではなさそうなので、中央だろう。念のためタテスジハヤシワラジムシの説明を見ると、体長5.8mmまでとあり、調査対象は8mm位はあるため、これではないだろう。ということで、上段は中央で間違いなさそうだ。

 

次に中段は触角の色で、黒か白かということだが、半分黒くて半分白い…

別の個体を見てみると、根元付近はやや色が有るものの、全体的に白と言ってもよさそうだ。

ということで、中段は右側と判断し、「シロヒゲハヤシワラジムシ」となった。

説明文を見ると、"体長9.3mmまで。体は褐色で触角は白い。宮古島の公園、海浜から知られている。"ということで、前半は合ってそうだが、後半の場所が全く異なっている。ということは違うのか??

 

(1)の下段で、白体に穴はないと判断したが、ありだったのだろうか。

穴があるということにして、(23)に進んでみよう。

 

 

(23)ハヤシワラジムシ科だ。

出典:日本産土壌動物 分類のための図解検索 第二版

 

体の断面形状、頭部測縁前方への突出、剛毛が判断ポイントだ。

体の断面は平べったく、目の下の出っ張りが大きい(上の方の写真参照)ことから、左側だと判断できる。

ただし、剛毛がどうしても見つからず、ここに来たのが既に間違っている心配も有る。

心配はあるが、とりあえず(24)に進んでみよう。

 

 

(24)オオハヤシワラジムシ属だ。

出典:日本産土壌動物 分類のための図解検索 第二版

 

上段は背板の体節に腺孔が有るかどうかということだが、そのようなものは見当たらないので左側と判断する。

2段目は体の色と生息場所だが、黒っぽくかつ地表に生息するため左側で問題ないだろう。

3段目は触角の鞭の長さだが、明らかに右側で良さそうだ。(写真は上で使ったものを再掲)

 

4段目は胸節の後側縁の湾曲の深さということだが、左右の図の中間的な形状に見える。

左のナミベリハヤシワラジムシだとすると、"四国と韓国から知られている"とのことなので、場所が違う。

ということで、右側ということにして(27)に行ってみよう。

 

 

(27)は腹尾節の形からだ。

出典:日本産土壌動物 分類のための図解検索 第二版

 

上段の腹尾節の後縁形状は直角にはなっていないため、左側となりそうだ。

そうすると、「カントウハヤシワラジムシ」ということになる。

説明文は、"体長8.6mmまで。黒褐色で淡色の不規則な斑点をもつ。第7胸脚腕節外縁が膨らむ。♂の第1腹肢外肢は長方形。茨城県、栃木県、福島県に分布している"とのことだ。

場所がまた違うのと、第7胸脚腕節外縁が膨らむというところが違うようだ。

下の写真の◯印が腕節だが、膨らんでいる様子はない。

カントウハヤシワラジムシをネット検索すると、何点か画像がヒットするが、触角から尻尾の先まで黒っぽい色をしている様であり、調査対象とは別種のようである。ということで「カントウ」ではなく、上の「ナミベリ」の方が可能性が高いと思われる。

 

ここまで調べてきて、結局、「シロヒゲハヤシワラジムシ」か、「ナミベリハヤシワラジムシ」かもしれないというところだろうか。見た目から、シロヒゲだとしっくりくるのだが。

 

ネットでいろいろ調べてみると「だんだんダンゴムシ」さんの2018年8月7日の記事で、神戸でもこの触角が白くて尻尾が黄色いワラジムシが確認されているようである。このあたりをヒントにもう少し本の説明を熟読すると分かってくることが有るかも知れない。

 

だいぶ長くなってしまったが、ここまで読んでくれる人はいるのだろうか??

 

PS

ワラジムシの観察と撮影には、以前の記事で紹介したデジタル顕微鏡に加え、実体顕微鏡を用いた。

実体顕微鏡についてはまた今度書きたいと思う(ネットで買ったやすーいやつ)。