悲しいかな、音質に拘り無垢材に拘るとお客様には、なかなかお譲り出来ません。

じっくり木の動きを伺う必要があります。

無垢材は、使用する部屋の湿気や乾燥の状態で、2~3日もすると縮んだり割れたりします。

木はそういうものだから・・・と言う自然な流れで木と向き合ってきました。

その為、無垢材のスピーカーはごく稀です。

でもですね、無垢材の奏でる心地の良い音色を好む方は多いと思うのです。

だから、何とか、この辺りをクリアーしなければと動いています。

今日はお客様から、下の写真のスピーカーを

何があっても良いから、このまま渡してくれ。と言われました。が、

何があっても文句は言わない。とは言っては頂けなかったので(当然ですね)お時間を頂きました(´0ノ`*) フゥ


WAONN (木球スピーカーJupiter) ブログ


音もきれいで見た目もきれいに仕上がっているのですが・・・・・


実はこのままでは問題が山積みなのです。。。

クリアーするには、あと2ヶ月はかかりそうだし、結果うまくいくとも限りません。

でも、何か良い方法がある筈なのです。

何とかせねば。



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どうする?!







はじめまして。

樹齢数百年の広葉樹の無垢材で球体スピーカーを製作しています WAONN と言います。
Jupiter と言う名の フルレンジスピーカー です。

Jupiterは音楽をより良い音で楽しむ為のツールですが、無い物ねだりの拘り屋なので、これまでも色々と試行錯誤をして、成功したり、失敗したり、失敗したり、、成功なのか?失敗なのか?分からなかったり、、、
とにかく、自分の目で耳で手で確かめる性格なので、これからオーディオを始めたいなぁ?と思っている方にも音楽をより良い音で楽しみたい方にもヒマな方にも喜んで頂けるようなブログになれば幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します。


木について
木は音の響きが良い事で知られておりますが、木の持つ音響特性が最も活かされているのが楽器です。
バイオリンやギター、ピアノの響板にクラリネットなどなど、いずれも木の持つ音響特性をうまく利用して音を響かせています。それと、音を耳にした時に感じる心地の良さである、音の旨味成分 “倍音”も木の持つ音響特性を知り尽くした上で、木種を選び、木を厳選して、木目の方向を巧みに利用して心地の良い響きを遠くまで届けています。

同じく木の優れた音響特性を利用しているのがスピーカーです。オーディオの音の出口です。

  オーディオはレコードやCDやipodから読み込まれたヘッドフォンで聴こえるくらいの小さな音声信号
  をより大きな空間でも音が鳴るようにアンプで電流と電圧を使い音声信号を増幅させます。アンプで
  増幅された音声信号に合わせて電流がスピーカーに流れます。電流を受けたスピーカーは磁石を
  使い、音声信号と同調する電流に合わせて振動板を前後に振幅させて空気を振動させて音を鳴ら
  します。  音は全て物体や空気が振動する事で生れます。
  声もスピーカーと同じ構造で音が生まれます。
  頭で思い描いた音を発生する為に、空気を肺や鼻から口に向かって送り、途中のノド(声帯)を振動
  させて流れる空気を振動させ声(音)を発する事が出来ます。

スピーカーの音を産み出すスピーカーユニット(振動板)もスピーカーユニットを支えるスピーカーボックス(エンクロージャー、箱)も木で作られているものが最もポピュラーです。


ただし、木で作られていると言っても、箱はその殆どが、ベニヤ合板(薄板を何枚も接着)や木片を接着剤で固めたMDFやパーチクルボードで作られています。そしてその上から塗装されているか、もしくは木目の付いた化粧板が貼ってあります。
外見は普通の木のようにも見えますが、中身も音響特性も見た目の木とは全くの別物です。
ベニア合板やボードは加工がしやすく、乾燥によるひび割れなどが発生しにくく、安価で安定供給される為、スピーカーの材料としては非常に扱いやすいのですが、響きが心地良くありません。
その為、ほとんどのスピーカーが箱は響かないようにガッチリした作りで剛性や無共振をウリにしており、ユニットのみで響きをさせております。要するに音を閉じ込める為の箱であり音道となっております。(とは言え完全な無共振は難しいので多少は箱も響いています)

メーカーさんも好きで合板を使っている訳では無いようです。
無垢材の良さを知っていれば、採用したいだろうし、良い音を届けたい、と思っているでしょう。
しかし無垢材を使うとなると、仕入れの問題、原価の問題、サイズの問題、乾燥の問題、
技術の問題、響きのバランス調整、製品の均一性、ユーザーの使用環境の変化などなど無垢材には幾多の問題があり安定した製品を無垢材で作る難しさを分かっているのでメーカーのスピーカ-には使われないだけだそうです。
これらの問題を簡単に乗り越えてしまうと、後々スピーカーを買って頂いたお客様に嫌な思いをさせてしまいます。クレームにもなります。何十万も出して割れてしまったら、誰だって文句は言うでしょう。と言って一つ一つ懇切丁寧に作る訳にはいかないのでしょう。


とは言え、良質な無垢材のスピーカーを聴いてしまうと、もう他で取り繕う事が出来なくなります。これが“本物を知る”と言う事だと思います。
知れば、本物のダイヤの輝きと人工ダイヤの輝きが違うように無垢材の響きには納得させられる響きがあり誰もが認める価値があります。


でも無垢材はクレームになるからメーカーが採用出来ない。なら仕方がありません。


だからと言って良いと分かっているのに、妥協の産物で終わるのは嫌じゃないですか?
だったら良い音を楽しむ為に、自分で割り切るしかありません。

本質的に良いモノ、これが WAONN のコンセプトになりました。
メーカーが作ってくれないなら、自分達で作って最高の音楽を楽しみましょう!!




で、実践すると、無垢材の選択や加工の問題が目の前に立ちはだかります。
メーカー様が手を出さない理由がスグに分かりました。

実は、スピーカーを自作するマニアな方は非常に多いのですが、無垢材について誰に聞いても“無垢材は割れるよ、反るよ、高いよ~”と言う意見が多かった。でも無垢材で作った事は一度も無い方が多く、作った事のある方でも、パイン材が割れてしまったそうです。 他はほとんどの方が合板ベニアでした。
失礼かもしれませんが、合板は、なんとなく作りかけのように見えてしまうのは 私だけ~?



で、うわさ通り、無垢材は高価でした。
ナラ材の無垢テーブルが何十万もするように。板だけでもビックリ価格です。しかも割れアリ、これ以上割れないようにする為、写真の蝶々型“ちぎり止め”が使われていたりします。 ( ̄_ ̄ i)

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これがスピーカーなら音が漏れてしまいます。おそろしや~


やっと良質な無垢材を見つけても、切ったスグそばからヒビが入ります。

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製材をしてから10年くらい自然乾燥されていても必要なサイズにカットすると木肌は湿っていて、乾燥と同時にヒビが入り、1か月もすると割れていたりします。

仕方がないので、他の代用品を探しました。
音色や響きをを調べる時には、オルゴールを使いました。
出来るだけ低音から高音まで使われているレンジの広いオルゴールを用意します。
オルゴールを部材の上に置いて鳴らすと音色や響き音の広がりを確認する事が出来ます。
段ボールに始まり皮、プラスチック、発砲スチロール、セラミック、カーボン、金属まで色々聴き比べをしましたが、やっぱり、無垢材の響きが心地良いし自然に耳に入るのです。
やっぱり・・・無垢材が必要不可欠でした。(それと意外や意外、段ボールが思ったよりも上位に残りました。)

そりゃそうですよね。楽器の多くが無垢材で作られていますからね。。。無垢材はどんなに大変でも避けて通れませんね。
それにしても楽器を作るのはホントに大変なのでしょうね。  それこそ、一つ一つ懇切丁寧に作られているのでしょうね。

それからは無垢材一筋、真剣に無垢材に向き合いました。
自然乾燥10年でも切って30分もすると、ピッキピッキッにヒビが入ります。製材後10年も乾燥させてこれですから・・・皆さん絶対に、いきなり必要サイズにはカットしないように、使い物にはならなくなります。厚めの無垢材の扱いには充分にお気をつけ下さい。
どんなに長い時間乾燥をさせていても、大きめに、厚めにカットしてから直射日光を避けて3か月は乾燥させましょう。直射日光は、ほぼ割れます。職人さん曰く、西陽が最も強烈だそうです。木口には木工ボンドを塗るなど気を使って下さい。
そして本番サイズのチョイ大きめにカットして下さい。それから1ヶ月は乾燥させましょう。
で、本番サイズに仕上げましょう。
それでも、数ミリは縮む事はあり得ますし、膨らむ事もあると思います。
そうなっても手直しが出来るように構造を考えておきましょう。

ここまですると、手間暇はかかりますし、待ちどうしい気持ちも強くなりますが、必ず行って下さい。
自分でも何度かフライングをして試してみましたが、結果は惨敗です。
木って“こういうもの”なんだというのが良く分かりました。更に、無垢材の場合、フトコロへの損害があまりにも大きいです。

前述に書いたようにそれぞれの響き方を持つ木種の中から、自分の好きな響きに合わせて木種を選ぶことも重要です。高音しか響かない高級木材も沢山ありましたし、ふがふがの低音しか広がらない木種もありました。私は、出来るだけ低音から高音までバランス良く響く木種を探しました。


それで、いくつかの関門を突破すると~~~
今までに聴いた事の無い音楽に出会う事が出来るでしょう。


しかし、箱の接着が落ち着くと、バイオリンのきれいな響きが聴こえ自然に消えるようになるのですが、スピーカーの上下左右の板から生まれる響きの違いが気になります。これは同じ無垢板でも20cm角の板と40cm角の板では叩いた時の音色が違います。素材は同じでも、音としては同じような周波数でも、音にのる倍音が違う為、違う音に聴こえてしまうようで、ユニットの背面から伝わる音波が板のサイズで変わってしまいます。
こんな風に聴こえてくるとは、考えもしませんでした。
これを改善しようとすると、必然的に真四角の箱が生まれました。


これは音色も響きも均一になり非常に軽やかで心地の良い音楽が流れてきます。
小さな事ですが、音楽好きの方には是非ともお試し頂きたいと思います。
ここで満足される方は非常に多いと思います。
見た目も美しく、音も美しい、しかも本物の感触です。所有する喜びが違います。
一生物のお宝をゲットした感覚すら得られると思います。
昔、東大の教授に言われた“日本人は木と動物が大好きな民族なんですよ”と言う言葉がふと頭に浮かび、目の前でマッチしました。
あぁ木っていいなぁ木目ってきれいだなぁ(*^。^*)と。
それと同時にユニットの欠点までもが見えてきてしまう事もありますのでご注意下さいね。
それと、仕上げも重要です。
無垢材は、油断は禁物です。乾燥による影響を最小限に抑える為、たまには亜麻仁油や荏油などの天然オイルを擦り込んで、磨いてあげて下さい。 使った布は使い回しをしない事。オイルですので自然発火の危険性があります。

無垢材の美音は欲しいけど、自分で作るのは無理でしょう?という方にはLinfof 工房 さんが、絶対にお勧めです。Linfof工房 さんの作るスピーカーは、家宝になるでしょう。一度ブログや掲示板をご覧になってみて下さい。
ここ2年間、世界中のサイトを探しましたが、本物を作る数少ない工房です。
個人的には日本一だと思っています。


ですが、私はスピーカーまでの距離が3mちょいとニアフィールド派ということもあり、しばらく鳴らしこんでいくと箱の角(接着面?)のビリついた音が気になります。
内側から補強をすると折角の美しい響きが無くなりました。


磨けば磨くほど粗って出てくるんですね。

Linfof さんや昔の和箪笥のように蟻組でもすれば良かったのかもしれませんが、12か所ある接着面を減らそうと考え、箱全体になるべく均一に響いてもらおうとしました。
調べると箱の角から発生する回折波の影響が大。スピーカーユニットから出てくる音は球面状に広がる為、正面の板に音が当たり違う音波に変化してしまう。
更に四隅(角)からは入力されていない音が発生しているようです。
これにより、特定の周波数だけが強調されたり、音が歪んだり、入力されていない音が発生しているようです。よし!次の手直しでこの2つの問題だけは解決しよう。




この間は寝ずに仕事、寝ずに仕事で夢中で取り組みました。内容も濃すぎてどこから書いたら良いのか分からないくらいです。
やればやるほど音が綺麗になっていきます。音場もリアルになっていき、どんどんミュージシャンに近付いているようでした。
  
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で、時が経ち、幾多の困難を乗り越えた結果、いつの間にか箱が球体になっていました。


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振動板から本体、脚の先まで全身無垢無垢です。  オールウッドスピーカーシステムの誕生です。

ここまで来ると究極でした。周りの評価も絶賛系です。 (=⌒▽⌒=)
“ただ単に球体にしただけなのに・・・”と言う意見が最も多いようにも思います。
私もそんな感じです。無垢材を使い、球体にしただけで。。。


球体から音楽が流れると、オーディオの存在が消え、ミュージシャンに一歩も二歩も近付いた感じで何も考えずに音楽に没頭出来るのです。

時には音楽に真剣に向き合い幻想的な世界に浸れ、時にはお気軽に楽しめます。
この気軽さが音楽には一番重要な気がしました。
しかし、オーディオをやっていると少しの事が気になり、いつの間にかこねくり回してしまうのかもしれません。
これが、長年さまよってしまったオーディオの深みから抜け出た時でした。

今では、音の良いケーブルを耳を凝らして探すのでは無く、ケーブルの音の違いを楽しめるようになりました。




ただし、無垢材による球体スピーカーを作るのは、お勧めではありません。
この道はあまりにも困難です。

樹齢は何百年モノが必要だし、入手は困難だし、自然乾燥で25年経ってても切ったその場からみるみる亀裂が入ります。

でも困難である事を承知の上で、無垢材の球体スピーカーにご興味があればご連絡下さい。
作り方やコツをお知らせ致します。
そして完成の暁には、みんなで別世界を堪能しましょう!!( ̄▽+ ̄*)~
良いですよ~~


ちょうどこの頃、PARC AUDIO の社長のご厚意により、AVフェスタに展示させて頂きました。

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ウッドボールスピーカーのお披露目です。ネーミング募集用のチラシが1300部配れました。


このAVフェスタで印象に残っている事が2つ、
1つは、某大手オーディオメーカーの創設者にして、オーディオ業界の重鎮が、どこぞの馬の骨が作った、木で出来た小さな球体スピーカーを絶賛してくれたのです。

     しかもブースは見ての通りの地ベタです。 (気分はさながらストリートミュージシャン音譜



周りの方はこの方をご存じで驚いていましたが、
私は上品な方だなぁ。こう言う風に全てを語れる方が営業してくれたらお客さんも分かりやすいだろうなぁと思いながら聞いていました。


最も優れたモノが世の中のスタンダードになる。音質で言ったら点音源、無垢材、形状は球体、がスピーカーのスタンダードだそうです。

しかし、いかんせん木で球体を作る事は課題が山積みでリスクが大き過ぎた。。。?!との事。
それにしても良く形にしましたね。この道は間違いないから真っ直ぐに進みなさい。そして沢山の方に喜んで頂きなさいと言ってくれました。
最後にパンフレットを受け取って頂こうと渡しましたが、
“良く分かっているから他の方に渡しなさい”と受け取ってもらえませんでした。。。

この時にパークオーディオの社長が来て、誰なのか教えて頂きました。(゜o゜)
そりゃ受け取りませんよね。<(_ _)>失礼致しました。

この時間は10分ほどでしょうか、勉強になり、励みになりました。
貴重なお時間をありがとうございました。

ご挨拶が遅れましたが、わたくしが、WAONNの代表 星 です。宜しくお願い致します。
タイの人みたいですが。。。日本人です。
WAONN (木球スピーカーJupiter) ブログ-WAONN 代表 星 ドッグラン


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で、こちらがAVフェスタ思い出の2つ目
友達が応援に来てくれて第一声が“お~音色が自然で心地いいね”
この時は、場違いな自分に気が付き始めていたので、お世辞でも嬉しかったです。ありがと。

で、チラシやダンボールを綺麗に片づけてスッキリとしてくれたのですが、
何と自分の演奏するスペースを空けていただけでした。
彼の名は、美遊時空(ミュージック)イベントなどで楽器を鳴らす遊び人です。

で、小さな球体から流れる小粋な音楽に合わせて、アフリカの民族楽器ジャンベを叩き始めました。前を通る人は、皆さん見て見ぬフリ。。。イベント関係者も見て見ぬフリ。。。まぁイベントももうすぐ終わりだし、生演奏を楽しんじゃえ。
しか~し、これには後日大きなクレームが来ました。

本当にすみませんでした。
また機会がありましたら、どうぞ宜しくお願い致します。


という感じで構想から2年が経っていました。


やっと辿り着いた理想響でしたが、磨けば磨くほど、粗が出てくるのです。。。


まだまだ続く理想響への旅は、次回へ