【クレスピー効果】
 行動が報酬の量によって変動すること

【ゲインロス効果】
最初の評価を下げて後で印象を上げると評価がより上がる

 「放蕩息子の喩え」はこれらの単語を説明する上で適切なものだと思う。現代の言葉に置き換えると「ごくせん」が妥当かと思われる。

 父親に質実に仕えてきた兄よりも遊び呆けていた弟が父親に過大評価(死んでいたのに生き返った「悔い改めて[LK7:48]更生した」)されてしまう現象。

 私は当初この現象を説明することのできる言葉としてクレスピー効果をあてがっていたが、弟が父親に対して最終的に与えた報酬(過剰評価されたところを含んで)が質実に仕えていた兄の報酬よりも上回っていて父親は弟を認めたということの説明はできるが、肝腎の過大評価の原理について説明ができていない。

 一方でゲインロス効果の場合は「放蕩息子の喩え」に見られる理不尽な現象をうまく説明することができる。

ex.

仕事ができる人がミスをした(期待されている)→失敗が過大評価される

仕事ができない人(期待されていない)が平均的な手柄をあげた→成功が過大評価される


「常に悪を望み、常に善を成す」
「いたわるふりをして人を殺す手」