麻子と真司、社会人1年生のクリスマスイブ、とあるレストランで。
真司「待った?」
麻子「今、着たとこ」
予約していたクリスマスディナーが運ばれる。
麻子「イブにも探偵の依頼があったの?」
真司「いんや、ない。所長に頼まれて、事務所の掃除をしていた。現実は、ホームズさんのようには行かないよ。」
麻子「そうなの。でも、私も似たようなもの。今日は、子どもたちのロッカーのふき掃除をしていたわ。社会人1年生って、そんなものよね。」
真司「掃除と言えば、ベーカー街221Bで、麻子と2人で掃除したことを思い出すな。窓ガラスを拭いたら、ヤニでぞうきんが茶色になったな。俺の探偵事務所も似たようなもん。」
麻子「そういえば、そういうこともあったわね。本当にホームズさんに会えたなんて、今からなら、とても考えられない。」
真司「夢じゃなかったんだぜ」
麻子「そうね。でも、私たち2人とも夢を叶えたね。就きたい仕事に就けた」
真司「現実は冴えないけどな。」
麻子「まだまだ、これからよ」
真司「来年は 、俺たち、どうなっているんだろうな?」
麻子「わからない。でも、来年のクリスマスイブもこうして、真司と一緒にいたい」
真司の頬が暖房のせいではなく、すごく火照ってきた。
2人は、このまま、
たわいもないことをいろいろ話ながら、
クリスマスイブを過ごした。
※長編小説、シャーロック・ホームズ未来からの依頼人、麻子と真司の時空旅行の原稿写真を載せました。