帰りのバスの中




麻子「テストも終わったから、



今夜、織姫と彦星みたいな」



真司(そう言うと思った)






午後8時、桜広場差しかかったところ。




麻子「こんなに明るいんじゃ、



星なんて見えない。



私、夜は外出しないから、



こんなに明るいなんて。」



桜広場の 高さ80センチメートルくらいの外灯が



明々と照っていた。



真司「俺は知ってたぜ。夜も自転車乗るから。



でも、大丈夫。」



そういうと真司はズボンのポケットから、



何やら取り出した。



麻子「ワァ、かわいい!



まっくろクロ助のカラフルバージョン!!」



真司「言うと思ったよ。



こういうときのために買っておいた。



このボタンを押すと、



お前も、このボタン押してみろ」



2人がボタンを同時に押すと、



まっくろクロスケがそれぞれ、



水色とピンクの光を眩しく放った。



「うわぁーかわいい!」



真司「織り姫と彦星、、、の代わり」



麻子「でも、いつの間に?」



「短冊書いたあと、



麻子は本屋で本をじっと見てただろう。



その間に100均で買った」



麻子は何ともいえない温かい気持ちになり、



真司はそんな麻子の笑顔が見られて、



とても嬉しいとしみじみ思った。



水色とピンクの光が、



2人をいつまでも、照らしていた。







2023年7月9日