手作り食を導入し始めて約1年。


その間2~3週間ごとのおしっこ検査。


毎回ヒヤヒヤしながらも、この1年、全くストルバイト結晶が形成されることはなかったのです。



「でもそれは、2食のうち1食は療法食だから・・・」


と動物病院の先生。


 

だけど、諦めきれなかったんです。


どうしても療法食からの離脱をしたかったんです。


それはなぜかと言うと・・・



どうしても皮膚炎が治らなかったんです。


肉球から始まって、前後肢のすね、前肢の付け根、お口の周り、鼻の周りなどなど。。。


吐き戻しや涙やけ、ラットテールなどなど、ももを苦しめていた症状は、手作り食でだいぶ改善していたのですが、皮膚炎だけは手ごわかったのです。



検査をするとマラセチアだと言われ、そのたびに、消毒液でふき取ったり、専用のシャンプーで毎日洗ったり。 


でも、その刺激が強いのか、もっと真っ赤に腫れあがってしまって。。。 



皮膚は腸の状況を写す鏡とも言われています。 


つまりは、皮膚炎などの症状は腸内環境の悪化であるとも推測できます。


どうして腸内環境が悪化するのか・・・はてなマーク


その理由が、どうしても食べ物に関連があるのではという疑念がわきあがり・・・


だからこそ、完全手作り食を目指したいと考えていたんです。 





そんな折・・・あの大災害が。。。 



そうです。東日本大震災。



今、思い出しても胸が押し潰されそうな感覚が襲ってきます。



家屋が潰れて流されている様。


その中には人も動物も含まれていると考えただけで、身体が震えてきます。


そんな映像がたくさん流れている中で、もちろん、動物の姿も映し出されていて。。 



とある被災した方が、車の中で2頭のチワワを抱え途方に暮れていたんです。(動物がいるから避難所には入れないため)


そしてインタビュアーの質問に答えたその方は、こう言ったんです。




この子達(チワワ)にあげるごはんもないんです。


私たちが食べることがやっとなんです。


だから、この子たちを処分するしかないんです。


この子達のためでもあるんです。


と。




何もできない自分が情けなくて、ただただ涙していました。


同じ生き物なのに、同じように命を与えられこの世に生まれてきたのに・・・


 
数日間、いろいろな情報が飛び交う中で、気付いたんです。 




私の住んでいる東京は首都圏直下型地震の発生確率がとても高い地域です。 


今なん時、地震が起こってもおかしくない状況です。


人間は災害のあったことは理解できる。


そして、命をつなぐために少しの食糧でも我慢しようと努力もできる。


運よく助かった命でも、家族とペットが同じ屋根の下で、今までと同様の生活ができるとは限らない。


ペットだけが集められたシェルターで生活するかもしれない。


家族と同じ屋根の下で生活ができたとしても、食料の確保が難しい過酷な状況が長く続くだろう。


そんな時は、支給されたドックフードを食べさせなければならない。


でも動物にとっては、ご飯が手作りでない理由、いつもとご飯が違う理由なんてわからないんです。


おなかが空いたら、ご飯はいっぱい食べたいんです。




手作り食だけに慣れてしまったら、そうでなくてもストレスの多い状況の中で、つゆだくの暖かいご飯じゃなきゃイヤだーーーって食事を受け付けなくなるかもしれません。


ならば、ドックフードの余地を残しておけば、そういった状況の時に受け入れやすいだろう と。 


つまりは、防災面を考慮して、完全手作り食にはしないということ。



まったくの盲点でした。


ただただ手作り食という観念にとらわれて、現実的な視野に死角があったのだと思います。



ペットフードだって千差万別。


使用されている食材だって、添加されている化学物質もまたそれぞれ。


ならば、ももの身体に合っているドックフードを探そうじゃないか。


そう気持ちを切り替えられたのです。




2食のうち1食は手作り食。


療法食の離脱は、ももに一番適した形のドライフードを探してそれを代替えしよう。


そうきめて、ドライフードジプシーをすることとなったのです。