食事の基本スタンスとしては、やはりどうやって飲水量を増やすかといったこと。

もともと飲水量が極端に少ない子だったので、自発的に飲ませることは少々不可能だったこともあり、時間を決めてシリンジで与えるようにしました。



●昼間12時前後に、母が5cc

●16時頃、おやつの時に10cc



おやつは、水分を与えるための手段として始めました。


でも、ストルバイトに注意が必要なので、犬用クランベリークッキーを選択。

(クランベリーに含まれるキナ酸がおしっこを酸性に傾ける作用をします。=ストルバイトになりにくい)



ももの体重からすると、最低でも1日に90ccは必要(※参照)なので、残りをどうやって与えるかの解決方法を模索した結果、厳格に最低量を確保できるよう水分量を決めて与えることにしたのです。



朝はドライフードの療法食。


●ドライフードをぬるま湯でふやかす際に30cc

これで、おやつ時と含め計45cc確保。


●夜は手作り食で、40㏄の水分(蒸発量を見込んで摂取可能な水分量として40㏄を確保)を使用。

それでも計85cc。


足りない5ccは自発飲水量に任せると決め、取り組みを始めました。



そして、もう一つの心配ごととしては、手作り食は療法食に勝てるのか・・・はてなマーク(笑)

ということ。



つまり、療法食は療法食であって、個々の病態に応じて厳格に成分調整されたフードになっています。

それを手作り食で再現できるのか・・・はてなマークはてなマークはてなマーク



という心配。




でも、こればかりはどう栄養価計算したところで、ストルバイトに悪いとされるマグネシウムの摂取量をコントロールすることは難しかったのです。



そこで、基本に戻りました。


先生は、水分摂取量を増やすだけでもストルバイトは解消する場合もある。


と言っていた。



ももの今までの状況を見ていると、確かに自発水分摂取量が格段に少ない。


これについては、一日の摂取量が確保できるだけのアプローチを人間側(飼い主)から行う手だては整った。


ならば、水分量を増やしただけで、解決する問題かもしれない。



ももはいつも涙やけを起こし、被毛は乾燥していてラットテールにもなっている。


それにいつも元気がない(いつも寝ている)。


皮膚炎やもろもろの小さな症状にいつも悩まされている。


なぜか、定期的な吐き戻しは今も続いている。



そんなことを総括して考えてたどり着いた結論は・・・



原則、栄養価計算をすることはやめよう。(大雑把なカロリーのみ計算)


ただし、たんぱく質は身体の構成成分であり必須であるため、それだけは、きちんとした分量を決めよう。




人間だって、一日30品目は食べましょうと推奨されている。


なら、ももにも四季折々の旬の食材をメインにバランスよく与えるようにしよう。


もし、このスタンスで続けてみて、週1の尿検査で異常がみられる場合は、その時に考えてみる。


と。



家族の食卓を預かる主婦が家族の健康を思い食事のメニューを考える。


これって、ごくごく普通の感覚ですよね。



それに最初から肩ひじを張って、あれやこれややってみても、長続きはしないと思ったのです。



人間だって、たまにジャンクフードを食べる。


忙しくて機能性食品だけを食べて、1食を済ます人だっている。


献立を考えてもアンバランスである時もある。




でもそれで、すぐに体調を壊す人もいませんよね。


こんなスタンスで気楽に気長に取り組んでいこうと腹をくくったのです。


そう腹をくくったら、もう前進あるのみ(笑)



実践です。



夜の手作り食は、即日完全手作り食にはできないので、約2~3週間かけて、ドライフードに野菜ペーストを乗せながら、徐々ドライフードの割合を減らし、その代わりに新たなタンパク源(鶏肉など)として入れ替える方式で進めていきました。



この間の週1のおしっこ検査では、な・なんと、尿中のストルバイトの形成は認められなかったのですーーー!!



毎週ドキドキしながら、おしっこ検査に行っていましたが、全く異常はなく。


そして、手作り食に移行し始めて、3週間後に夜だけ完全手作り食に移行することができたのですぅーーーー!!



手作り食に移行し始めて1か月が過ぎた尿検査でも、異常は認められず、この時点で2週間に1回の尿検査となったのでした。



後日談ですが、今もお世話になっている先生ですが、本当は療法食からの離脱は難しいと思っていたそうです。


離脱しても再発するケースも多く、ストルバイトはやはり体質といったファクターもあるため、朝晩完全手作り食にするには、無理があるだろうと考えていたみたいで。


出来たとしても、2食のうちの1食は、療法食でのコントロールが必要になるだろう・・・と推測していたそうです。


でも、私の強い意志を感じ、やってみなければわからないという気持ちもあり、後押しをしてくださったそうです。



やっぱり、動物の医師ですが、人の感情を推し量り、飼い主である人間にベストの処方箋も作れる獣医さんって素晴らしいと思います。


また、そういう信頼できる獣医師に出会えたことが、ひとつの幸運なのかもしれません。



----☆---------☆---------☆----------☆----------☆


※犬が一日に最低限必要な水分量の算出方法には2種類あります。


【その1】

「132×体重Kgの0.75乗」

例:体重5kgの犬の場合は、1日に441mlの水分摂取が必要


【その2】

「体重g×0.05~0.07」

例:5kgの犬の場合は、1日に250~350mlの水分摂取が必要


ももは、【その2】を採用しました。

ももの体重:1800g×0.05=90㏄


◆体重Kgの0.75乗は√のついた計算機を使用すると便利です。

例:体重5Kgの犬の場合

5×5×5=125 に√を2回押すと3.343…

3.343…×132=441.1368…