【自衛隊による邦人保護の強化を!】


党国防部会と在外邦人の安全確保に関する特命委員会は4月10日、合同で会議を
開き、自衛隊による邦人保護を強化するための自衛隊法改正案を了承しました。
同改正案は今年1月に発生したアルジェリア人質事件を受けて、わが党と公明党の
プロジェクトチームが3月に取りまとめた提言をもとに、政府が法案化し、
今国会での成立を目指しているものです。
現行法では、輸送対象を「保護を要する邦人と外国人」としていますが、
改正案では、新たに「輸送の実施に伴い必要となる者」と「早期に面会または
同行が適当と認められる者」を加えました。これにより、企業などが被害を受けた
場合、自衛隊が日本から従業員や家族、外務省職員などを輸送することが可能と
なります。
輸送手段については、現行法で航空機と船舶と定めていますが、空港や港から
離れた場所に取り残された邦人の救出、輸送を可能とするため、車両を加えること
としました。
この日の会議では、小野寺五典防衛大臣が「いついかなる時も(アルジェリアと)
同じような事件が発生しても、邦人の救出に存分な働きができるよう、国会で速やか
に成立させていただきたい」とあいさつ。中谷元在外邦人の安全確保に関する
特命委員長も「海外での緊急事態において、自衛隊が国民の期待に応えられるように
しなければならない」と同改正案の意義を強調しました。


        <自衛隊法の一部を改正する法律案の概要>


【1】目的

在アルジェリア邦人に対するテロ事件を受け、自衛隊による在外邦人等輸送
(自衛隊法第84条の3)について、輸送対象者を拡大し、車両による輸送を
可能とする等の所要の改正を行い、外国におけるさまざまな緊急事態に際して
より適切に対応できるようにする。

【2】改正内容

(1)「輸送の安全」(第84条の3第1項関連)

○「輸送の安全」の要件に係る現行の規定について、従来の国会等における議論を
 踏まえ、本来の趣旨をより明確に示す表現に改める。(要件を実質的に変更する
 ものではない)

(2)輸送対象者の範囲の拡大(第84条の3第1項関連)

○現行法の輸送対象者(保護を要する邦人又は外国人)に、次の者を追加する。
 ・輸送の実施に伴い必要となる者(例:我が国政府職員、企業関係者、医師等) 
 ・早期の面会又は同行が適当と認められる者(例:家族等の関係者)

(3)車両による輸送の実施(第84条の3第3項関連)

○自衛隊が用いる輸送手段として、現行の航空機・船舶のほかに、車両を加える。

(4)武器使用に係る規定の修正(第94条の5関連)

○(2)及び(3)を踏まえ、武器使用に係る規定について必要な改正を行う。
 (武器使用権限は自己保存型のままとする)

 <1>職務を行う自衛隊が武器を使用できる場所を追加する(車両の所在する
    場所、輸送対象者が対気している場所、輸送経路の状況の確認等の業務が
    行われる場所を追加。

 <2>防護対象者に、自衛隊が輸送の職務を行うのに伴い自己の管理の下に
    入った者(例:(2)の輸送対象者、集合場所で活動する現地政府職員等)
    を追加する。