記事入力 : 2012/11/30 09:21

日本の学者たちの見方

 日本で衆議院議員総選挙が来月に迫る中、政党支持率で自民党と「日本維新の会」が1・2位となるなど「極右対極右」の構図が固まってきており、日本の専門家たちは日本社会の極右化についてさまざまな見方を示している。


 代表的なのは「リベラル(自由主義勢力)無能論・失敗論」だ。1994年、自民党と連立政権を組むほどの一大勢力を築いていた日本社会党は、北朝鮮による日本人拉致を否定するなど、理念的に偏向した政策に固執し、自滅の道を歩んだ。


 社会党が没落した後、市民運動家や旧社会党出身者などのリベラル勢力が結集した民主党は、福祉の無償化などの公約を打ち出し、政権交代には成功した。しかし、原発事故の収拾に失敗し、中国との領土をめぐる対立を抱え、公約の履行も失敗したため、国民の不信を買うことになった。こうして「リベラル勢力=無能勢力」という等式が成り立ち、極右勢力の台頭に道を開いたというわけだ。


 高齢化に伴い、これ以上の経済成長が望めない状態で、極端な主張が繰り広げられる「超成熟国家衰退論」という見方も出ている。東京大の木宮正史教授は「衰退する社会では、未来に対する恐怖や不安を背景に、極端な主張が支持を得やすくなる」と分析した。


 評論家の山崎正和氏は『大停滞時代の変革願望症候群』と題する論文を通じ「寂しがり屋の日本人たちが、東日本巨大地震以降、社会の連帯感を強調するムードに流され、ナショナリズムが噴出している」と主張した。極右的な政治家たちが掲げるナショナリズムに同調することで、日本人たちが漠然とながらも社会の連帯感の存在を確認しているというわけだ。その上で山崎氏は「危険な火遊び、自慰行為で終わりかねない」と警告した。


 これまでの政治家たちに対する失望が、新たな指導者に対する漠然とした憧れへとつながるという「青い鳥症候群」だという見解もある。「青い鳥症候群」とは、童話『青い鳥』の主人公のように、現実に満足できず、新たな理想だけを求めようとする病的な状態を指す。


 龍谷大の石田徹教授は「現実に不満を感じる国民が、新たな救世主を求める心情から(極右の政治家たちを)漠然と支持している」との見方を示した。


 東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版