記事入力 : 2012/11/29 12:52

高齢者、障害者、集落の自治会長も
警察、3人を逮捕

 全羅北道茂朱郡で、近所の住民5人から性的暴行を受けたことが分かった知的障害2級の少女(13)=中学1年=は、3年前にも10代の少年3人から集団で性的暴行を受けていた。当時、犯人3人は全員検挙されたが、少女は適切な保護を受けることができないまま、再び性犯罪者の餌食となった。


 28日に記者が訪れた、被害者の少女が住む賃貸マンションの住人は、少女について「声が大きくて明るい子だった。知的障害があったことは知らなかった」と語った。事件について捜査を行っている警察は「被害者は自らの身を守る能力を有しておらず、一貫した証言を得ることも困難だった」と説明した。少女の親は仕事が忙しく、近所の住民らに性的暴行を受けたという事実を全く知らなかった。


 少女に性的暴行を加えた容疑者は、60代の高齢者2人と57歳の自治会長、車いすを利用する52歳と44歳の障害者だった。5人はそれぞれ、少女に声を掛け、性的暴行を加えていた。警察によると、第1の事件は、少女が「おじいさん」と呼んでいたA容疑者(69)の犯行で、少女がマンションに引っ越してくる前の2009年3月に発生した。少女は当時10歳だった。A容疑者は少女に「遊びにおいで」と声を掛け、自宅の離れで性的暴行を加えた。A容疑者はその後、少女を集落にあるあずまやなどに呼び、5000-1万ウォン(約380-760円)を渡して性的暴行を加えていた。


 少女は同年12月から翌年3月にかけ、少年P(18)ら3人から5回にわたり性的暴行を受けた。警察は当時、少年Pを逮捕するとともに、中学生2人を書類送検したが、それ以前に起こった事件については把握していなかった。


 その後、マンションに引っ越した少女は昨年7月から、同じマンションの住人らから性的暴行を受けるようになった。まず、同じ棟に住むB容疑者(65)が、少女に「桃畑に遊びに行こう」と声を掛け、車の中で性的暴行を加えた。少女の父親(47)は、集落の住民たちの親睦を図る組織に属するB容疑者を「兄さん」と呼んでいた。


 第3の事件を起こしたのは集落の自治会長だった。自転車修理店を営むC容疑者(57)は昨年10月、自転車の修理を依頼するため来店した少女を、奥の部屋に連れ込み性的暴行を加えた。C容疑者は少なくとも、計6回性的暴行を加えていたことが分かった。


 近所で親しくしていた男性の父親のD容疑者(52)も今年3月、少女に性的暴行を加えた。D容疑者は車いすを利用する障害者だった。D容疑者は「お前がうちに遊びに来て帰った後、指輪がなくなった。警察に言い付ける」と脅し、性的暴行を加えた。また、同じく障害者のE容疑者(44)も今年7月、電動車いすで少女を追い掛け「俺ともやろう」と懇願した。警察は、E容疑者が同じ障害を持つ友人のD容疑者から、少女との関係について話を聞いたと見ている。E容疑者は少女にポルノ動画を見せながら「あの通りにしろ」と強要していたという。


 警察は、ある介護士が「うちに遊びに来る少女に対するD容疑者の態度が怪しい」として、青少年相談所に情報提供したのを受け、捜査に着手した。容疑者らは少女と約140回にわたって携帯電話で通話したことが明らかになるや、犯行を認め「少女が誘惑してきた」と言い訳した。警察は障害者のD容疑者とE容疑者を書類送検する一方、残りの3人を逮捕した。少女は現在、全羅北道全州市の性的暴行被害者救済センターで保護されている。


 茂朱(全羅南道)= 金昌坤(キム・チャンゴン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版