記事入力 : 2012/11/19 15:39

【プノンペン聯合ニュース】カンボジアを訪問中の韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は19日、中国の温家宝首相と首脳会談を行い、日本の右傾化が周辺国の不安要因になっていると懸念を示した。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するため、カンボジア・プノンペンを訪れている両首脳は、日本との領土問題をめぐる外交紛争について話し合い、日本との外交対立を平和的に解決すべきだとする認識で一致した。青瓦台(大統領府)の崔今洛(チェ・グムラク)広報首席秘書官が伝えた。

 温首相はASEAN首脳会議で領土問題は会議の議題ではないと前置きしながらも、「(領土・領海紛争は)日本が軍国主義を清算できなかったため」と指摘した。

 李大統領は「日本の右傾化が周辺国の不安要因になり得る。同問題は友好かつ平和的に解決されるべき」と述べた。

 両首脳はまた、北朝鮮が改革・開放に積極的に乗り出すべきとする認識で一致した。李大統領が「北朝鮮は住民の生活と経済を優先すべきだ」と強調し、温首相もこれに同意した。

 韓日中3カ国間の自由貿易協定(FTA)交渉開始宣言と関連しては、年間640万人以上の相互訪問を含む交流・協力を拡大することで合意し、両国間の貿易額が2015年までに3000億ドル(約24兆円)を達成できるよう努力することで一致した。

 韓日中3カ国は20日に閣僚級会談を行い、3国間のFTA交渉開始を公式宣言する予定だ。今回の交渉宣言は韓日、日中間の外交紛争中に行われるため注目される。

 李大統領と温首相は2008年に「戦略的協力パートナー関係」を宣言して以来、韓中関係が発展したことを評価。両国間の信頼と協力をもとに、未来発展を拡大させていくことで合意した。朝鮮半島の平和と安定に向けた共同努力も続けるとした。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するため、カンボジア・プノンペンを訪れている李大統領は、韓国とASEANの戦略的パートナー関係強化などについて協議するほか、ASEANと韓国、日本、中国が参加する首脳会議と東アジア首脳会議(EAS)に出席する予定だ。